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あなたside
その日の夜。
あ「ねぇ、真司郎。
去年やり残したこと、ある?」
同じ布団に入ってあとは寝るだけとなった時に唐突に切り出した私。
真「やり残したこと?んー、すぐには思いつかん
けど…、Aはあるん?」
あ「あるといえばあるし、ないといえばない、」
真「なにその曖昧な言い方笑
それってあるってことやろ、」
あ「うん、ある…かな。」
真「なに?」
あるとは言ったものの、こんな事言ってもいいんだろうか、と一瞬頭の中をよぎるけれど。
あ「最後の最後に、いちゃいちゃできなかった」
真「あーそれな。あの時はしかたない。」
たしかにあの時は、急にリルちゃんが入ってきたから仕方ないといえば仕方ない。
けど、私が言っているのはそれだけじゃない。
あ「あの時は仕方ないんだけど、だけどね、
その…その時だけじゃないの。」
真「うん?」
あ「…リルちゃんずっと真司郎のそばにいたから、
いつもよりもくっつけなかったし。
それに、その、ちょっと…やきもちやいちゃっ
た。」
リルちゃんはとても真司郎に懐いていて、リビングにいる時はずっと真司郎の膝の上を陣取っていた。
もちろん私の膝にも来てくれたし、それはそれで可愛いから、真司郎の膝の上にいるリルちゃんを撫でたりして私も可愛がってはいたんだけれど…。
なんだか真司郎を取られてしまった気がして、やきもちをやいてしまった私。
猫にやきもちをやくだなんてバカげてるな、とは自分でもわかっているんだけれど…。
真「なんや、Aやきもちやいてたん?
へぇそうなんや。」
と言って、にやりとすると声を押し殺して笑いだす始末。
あ「…あきれた?」
真「いや?そんなことないで。
猫にやきもちやくなんて、可愛い奥さんやな
と思っただけ。」
あ「私、自分で思ってたよりも心が狭いみた
い…。」
本当にそう思う。
人に対してならまだしも、猫に対してやきもちやいちゃうなんて…なんて心が狭いんだろう。
やっぱり、こんな事言うんじゃなかった…と後悔するけれど、もう言ってしまった事は取り消せない。
こんな事を言ってしまった自分が恥ずかしくなって、なんだか真司郎の顔が見れなくて、胸に顔を埋めた。
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まりぃ(プロフ) - ふみさん» ふみさん、いつも温かいお言葉ありがとうございます。本編とはまた違うお話をかけて私自身楽しかったので、また機会があれば書きたいなと思います(*^_^*)これからも心がほっと暖かくなるようなお話を書けるように頑張りますね! (2019年8月20日 20時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 番外編もいつもほっこりさせてもらってます。まりぃさんのペースでこれからも続けていってくださいね! (2019年8月19日 20時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - ゆりなさん» 温かいお言葉嬉しいです(;_;)これから先さらにお待たせする事があるかもしれませんが自分のできる範囲で頑張りますのでこれからもよろしくお願い致します(;_;)わー私に会ってみたいだなんて…そう言って頂けて嬉しいです! (2019年4月2日 20時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - ふみさん» マイペースいつ聞いてもいい言葉ですね(;_;)ありがとうございます、これからもよろしくお願い致します(;_;) (2019年4月2日 20時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - かおりさん» ありがとうございます!温かいお言葉嬉しいです。お待たせする事が多くなるかもしれませんがこれからもよろしくお願い致します(;_;) (2019年4月2日 20時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりぃ | 作成日時:2018年12月23日 15時