繋いだ手 Specialedition

・・・ ページ38

あなたside


美容室に行ったのは本当で長くなった髪を整えてもらっただけ。


初めから短く切ろうなんてこれっぽっちも思っていない。


そのあと真司郎が仕事から帰ってくる1時間ほど前に、千晃ちゃんにウィッグをセットしてもらった。


それを見た千晃ちゃんは【これ、與さん絶対騙されますよ！】とその自然な髪型に太鼓判を押してくれて、仕掛けることができたんだ。


あ「騙してごめんね？」


真「エイプリルフール…すっかり忘れとった…。」


私の元通りの長い髪を見て、今日がエイプリルフールで騙されたことに気付いた真司郎は頭を抱え


【おもっきり騙された】
【必死になって俺、めっちゃ恥ずいやん】


などブツブツ呟いていたかと思えば…


真「もー！Aひどいわ！
　 ほんまに切ってもうたんかと思ったやん
　 か！」


と、言ってくる。


あ「私真司郎に髪触られるの好きだから、短くな
　 んて切らないよ？
　 それに前に真司郎も同じことしたでしょ？」


前に私は真司郎に【LAに行くことになった】と騙されている。


今日はそれに対する私からの仕返し。


あ「仕返し成功だね笑」


真「やられた…。」


そう言いぶぅとむくれた顔をしたあとの言葉に、今度は私が騙されてしまう。


真「…今日は寝かさんからな、」


あ「え？！」


真「うそ笑。」


あ「もー！！」


真「早速仕返ししたったわ笑」


ケラケラと笑ってる真司郎を見てそのやり取りがおかしくなり、私もつられるように笑ったあと。


あ「ねぇ、さっき言ってくれたことほんと？」


真「ん？」


あ「どんな私でも愛してるって、」


真「ほんまやで。
　 髪が短くなろうと、どんな姿になろうと俺の
　 気持ちは変わらんから。」


あ「今より10kg太っても？」


真「おん、」


あ「しわくちゃのおばあちゃんになっても？」


真「それはそれで可愛いおばあちゃんやと思う
　 で？」


あ「その頃は真司郎もおじいちゃんだね。」


真「そやな、でも俺は格好いいおじいちゃんに
　 なるし。」


と、ドヤ顔をしたあと。


真「俺もどんな姿になっても愛してくれる？」


あ「もちろん、私だって真司郎がどんな姿になろ
　うと気持ちは変わらないよ。
　ずっと愛してる。」


騙したお詫びと、心からの気持ちを込めて触れるだけの口づけを贈り、
こうして私のドッキリは成功に終わった。


今回はドッキリだったけど
この先私の姿がどう変わろうと
ずっと変わらず、愛していてね？


fin.

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