大切な君へ ページ43
あなたside
真「最後に。
僕と、僕達を傍で見守り、支えてくれた人達
から、大切なAへ、贈りたいものがあり
ます。」
予想だにしていなかった言葉が耳に届いて、一瞬、思考が止まってしまう。
真「A、俺とみんなからの贈りもの、
受け取ってくれる?」
そう言って、私に笑いかける真司郎。
あ「贈り、もの?」
真「おん。」
これから何が起こるのかわからず、見当もつかないけれど、静かに頷いた。
それを見た真司郎は、私の手を引いて、用意されていた椅子の所まで連れて行ってくれる。
あ「A、ここで見といてな。」
促されて、静かに腰をおろす。
そこで初めて、会場の変化に気が付く。
今日1日中、会場の演奏をしてくれていた、ヴァイオリン奏者と、ピアノ演奏をしてくれていた方がいなくなっている。
その方達がいた場所は、1段上がったステージになっていて、今はそこにピアノが1台置いてあるだけ。
それとあともう1つ、気付いたこと。
辺りを見回しても、みんなの姿がない。
実彩子も、西島くんも、さっきまで一緒にいたみんなの姿がない。
そして、浦田部長も見当たらない。
何も聞いていない私の胸を、これから何が起こるのかわからない不安と、何が始まるのか期待する気持ちの半々が占める。
他の人も席に座り、何が始まるのか、今か今かと、待っている様子だ。
しばらく待っていると、真司郎を筆頭として西島くん、実彩子、末吉さん、千晃ちゃん、日高さん、そして浦田部長がステージに現れた。
みんなは手にマイクを持ち、ピアノを取り囲むようにすると、日高さんがピアノに座り、音合わせでもしているのか、小さく声が聞こえてくる。
一体、何が始まるの…。
トクン、トクンと鳴り出す胸の音を感じながら、みんなの姿を見つめていると。
みんなが横一列に並んだ。
その表情は少しの緊張と、わくわくしているようなそんな顔。
みんなは顔を見合わせて頷くと、真司郎がまっすぐと私を見ながら、口を開いた。
真「いつも笑顔で、周りの人を何よりも大切にし
ているA。
ここにいるみんなは、そう言えるAの
事を同じように大切に思っています。
そんな誰よりも大切なAへ。
僕達から、この歌を贈ります。」
静まり返る会場。
そんな中、ピアノに座った日高さんが、メロディを紡ぎだす。
耳に届いてきたそのメロディは、私が大好きな、あの曲だった。
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まりぃ(プロフ) - 凪さん» 私も中々上手くいかない事ばかりです…。書きたい事はあるのに上手く文章にできなくて頭を悩ませる事が多いです(´Д `)凪さんも凪さんのペースで進めていって下さいね応援してます!私もまだまだ頑張ります! (2018年10月23日 21時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - お話読んでくれてるんですか?!何か恥ずかしいです(笑)まりぃさんを目標に!と思っても中々上手くいかないものです。これからも尊敬し続けますよ!年内完結は、寂しいですがまた新しいストーリーを待ってますよ! (2018年10月22日 21時) (レス) id: e834f64ecf (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - ふみさん» いつもありがとうございます!年内完結は私の中での目標ですが、それよりも長くなる可能性の方が高いです(笑)嬉しいお言葉もありがとうございます。考えてるお話書けるだけ書いていこうと思ってます。これからも頑張りますのでよろしくお願い致します! (2018年10月22日 19時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - K- Kさん» そうですねいつかは終わりが来てしまいます…。年内完結はあくまでも私の中でのただの目標ですので、あまりお気になさらずにいて下さい。それよりも長くなる可能性の方が高いですので(笑)これからもよろしくお願い致します! (2018年10月22日 19時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - めぐさん» 年内完結はあくまでも目標ですので、年内に終わるかはまだわかりません。紛らわしくてほんとにごめんなさい…。それよりも長くなるんじゃないかなとは思ってます(笑)ですので最後までお付き合いくださいね!よろしくお願い致します! (2018年10月22日 19時) (レス) id: b565779794 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりぃ | 作成日時:2018年9月16日 19時