繋いだ手9

俺だけのお姫様 ページ5

真司郎side


無事に入籍を済ませた俺とA。


式場に着くと、一旦別れて、それぞれの準備に入った。


俺はというと、タキシードに着替えて、髪をセットしてもらうくらいなもんで。


準備を終わらせると、控室に戻ってきて、Aの準備が終わるまで待機しとるとこ。


もちろん、控室は別々。


Aは着付けやメイクがあるから、当然時間がかかる。


その間俺は、自分の姿を鏡でチェックしたり、窓の外を眺めたりして時間を潰しとるんやけど…


……ひま。


時計を見て、そろそろAの準備も終わる頃やな、と思った俺は、Aに会いに行くことにした。


控室を出て、【A】と書かれたドアの前に立つ。


1つ深呼吸をすると、ノックをしてドアを開いた。


真「A？準備でき、た…」


中を覗き込み、俺の目に飛び込んできたのは…


窓から降り注ぐ暖かな陽射しを浴びて


純白のドレスに身に包み


優しく微笑んでいるA。


そのあまりにも綺麗な姿に目が離せず


同時に俺の周りから、一切の音が消えた。


ドアの閉まる音さえ聞こえないほど。


今聞こえてくるのは、高鳴る俺の胸の鼓動だけ。


Aを見つめながら、ゆっくりと1歩ずつ
足を進め、Aの目の前に立つ。


あ「真司郎…どう？似合う？」


真「おん、…めちゃくちゃ綺麗。」


それしか言葉が出ず、なんとも情けないけど、それ以上の言葉が見つからない。


そんな俺の言葉に、頬を赤らめるところが、愛くるしい。


少しだけ乱れた前髪にそっと触れて直してあげると、視線が絡んで、胸がドクン…と音を立てた。


真「ほんまに、ほんまに綺麗やで、A。」


あ「ありがとう。
　 真司郎も、かっこいい。」


俺の大好きな笑顔で微笑んだ。


俺がずっと夢に思い描いていた


とてもとても綺麗なお姫様が


今、目の前にいる。


たった1人の、俺だけのお姫様。


そんなAと見つめ合う。


真「A…、」


キスしたくなって、顎に手を添え、顔を近づけようとした時…


末「ストーーーーップ！！」

！？！？→←息を呑むほどの

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