繋いだ手9

もう1つ ページ28

あなたside


それ後もビデオレターは続き、笑いに包まれながらも、友人からの言葉に耳を傾ける。


友人【ずっと人の事ばっかりだったから、これか
　 らは旦那さんにたくさん甘えて、幸せにな
　 るんだよ、A。】


友人【ほんとに、ほんとにおめでとう。】


友人【末永くお幸せに。】


最後はみんなから祝福の言葉をもらい、ビデオレターが終わると、その場から拍手が沸き起こった。


真「A、いい友達もったな、」


あ「うん、」


恋は知らなかったけれど、たくさんの友人に囲まれた学生時代は、本当に楽しかったし、私の宝物だ。


ビデオレターが終わり、これで終わりかな、と思っていたら


鈴木「実はもう1つ、お2人の共通のご友人から
　 も、お預かりしているものがございま
　 すので、そのままご覧下さい。」


私達の共通の友人からの預かりもの？


誰だろう、というか、なんだろう。


あ「真司郎、何か聞いてる？」


真「いや、なんも聞いてへん、」


隣の真司郎に聞くけれど、振り向いた真司郎も何のことか知らない様子。


2人で顔を見合わせて、首を傾げる。


すると、アップテンポな曲とともに、映像が流れ始めた。


その曲は、私が最近好きでよく聞いている、男女混合グループの曲「LOVER」。


その曲とともに始まった映像の最初は、会社に入社したばかりの頃の、私と真司郎の写真がそれぞれ映し出された。


あ「え？どういうこと？」


真「なんで俺らの写真…。」


映し出される映像に写る写真は、1枚1枚、ページを捲るように繋ぎ合わされていく。


その写真は、入社したばかりのお互いの写真から始まり、初めて真司郎と出逢った飲み会、ラウンジで話している写真や、みんなで鍋をした日など、見たことのある写真もあれば、いつ撮られていたのかわからない、知らない写真があったりと様々。


そしてそこに一緒に写っている、よく知る2人。


そこで気付く。


入社当時からの事を知ってるといえば…あの2人しかいない。


あ「もしかして…、」


隣の真司郎も、気づいたらしく


真「もしかして、西島と宇野ちゃん？！」


あ「しかいないよね…、」


私達2人の共通の友人で、入社当時から私達の事を知っているといえば、西島くんと実彩子しかいない。

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