繋いだ手9

あの頃 ページ27

あなたside


来てくれている大切な人達と言葉を交し合い、みんなそれぞれ楽しい時間を過ごしてくれている。


デザートビュッフェに並ぶ、美味しそうなケーキやスイーツを選んで、テーブルに座っている人、また、立ちながら楽しそうに会話をする人達を眺めていると


鈴木「失礼致します。
　 新婦、A様のご友人から、ビデオ
　 メッセージが届いておりますので、ご紹介
　 したいと思います。」


突如広いスペースに現れた、大きなスクリーンにみんなの視線が集まる。


打ち合わせの時には、こんな予定は入れていなかったから、最近届いたんだろう。


みんながそれぞれ、近くの席に座り始めた頃


田中「真司郎さん、Aさん、お席が用意して
　 ありますので、よろしかったらそちらに
　 どうぞ。」


今日一日、私のお世話役をしてくれている田中さんが声をかけてくれて、真司郎と2人、用意されている席に座らせてもらった。


そして始まったビデオメッセージ。


そこには、今日どうしても都合がつかず、来ることのできなかった、高校から大学時代を一緒に過ごした友人の姿が映し出された。


友人【A、與さん、ご結婚おめでとうござ
　 います。】


久し振りに見る、あの頃とあまり変わることのない、数人の友人を懐かしく思っていると


友人【Aはちょっと鈍感なところがあっ
　 て〜】


なんて話を皮切りに、次々と進んでいく友人達の会話。


学生時代の失敗話や、楽しかった思い出など話してくれるのはいいんだけど、ちょっと恥ずかしい。


すると


友人【Aは知らないと思うけど、実は周り
　 の高校の男の子達から人気あったよね】

　
なんて事を話し始める。


友人【電車で一緒に通ってたんだけど、中学の同
　 級生から、紹介しろ、とか言われたりね
　 (笑)】


友人【自分がモテモテなのを全く気付いてなかっ
　 たよね(笑)】


そんな事、私初耳なんだけど…と言う話ばかりで、驚いてしまう事ばかり。


友人【あの頃はまだ初恋さえしてなかったから、
　 いつか白馬の王子様が来てくれるかなー、
　 とか言ってたの覚えてる？】


あ「うそ、そんな事言ってない…」


それを聞いたみんなから、笑いが起こり、
ちらりと隣の真司郎を見ると、


真「A、白馬の王子様って(笑)
　 どんだけやねん(笑)」


と、笑われてしまう。


うう、恥ずかしすぎる…。

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