繋いだ手9

・ ページ24

あなたside


りお「ひかるくんずるい！おれもするー！」


まだ呆然としてる真司郎の手からすり抜けて、私のところにこようとするりおくんを


真「…あ！あかん！」


ハッとした顔をした真司郎は、すり抜けたりおくんを再び捕まえて、ホールドする。


りお「しん、はなしてや！」


真「離さへん！」


りお「しんはいつでもできるやんか！」


真「そういう問題ちゃうわ、あほ！」


押し問答を続けている2人を見ながら、さっき美里さんがいっていた事を思い出す。


これじゃ、どちらが子供かわからない、今のこの状態。


周りを見ると、みんなは今のこの状態を楽しんでいるような顔をして見ている。


真司郎には申し訳ないけれど、輝くんがしてくれた可愛いキスが嬉しかった私。


でも、こんな事を言ったら、真司郎は怒るかな？


また、やきもちを妬いちゃう？


それはそれで、嬉しかったりするんだけどな、なんて事を1人思いながら、少し考えた私は


あ「輝くん、ちょっとごめんね？」


腕に抱いていた輝くんを、美里さんに引き渡すと、まだりおくんをホールドしている真司郎に近付いて耳打ちをした。


真「…約束やで、」


それだけ言うと、パッと腕を離した真司郎。


すると、すかさず私の前に来て


りお「Aちゃん、おれもしていい？」


少し恥ずかしそうに言うりおくんが可愛らしい。


あ「ふふ、いいよ。私の方こそいいの？」


りお「おれはこっちにする！」


すると、私の手を取って、遠慮がちにちゅ、と手の甲に可愛くキスしてくれた。


もしかしたら、真司郎に気を使ってくれたのかな？なんて思いながらも、緩む頬。


あ「ありがとうりおくん、嬉しいな。」


きゅ、と抱きしめてあげると、ほんのり頬を赤くしたりおくん。


西「Aちゃん優しいー、誰かさんとは大違いだな笑」


末「真司郎、やきもちも程々にしとけよ笑」


日「血は争えねーってことだな笑」


美「王子様からのキス、可愛い！」


実「いいなー、A、」


真司郎は、りおくんの頭をわしゃわしゃと少し乱暴に撫でながら


真「しゃあなしやからな、しゃあなし！」


まだ納得してないような顔をしてるけど。


その後、実彩子と千晃ちゃんも、輝くんからほっぺたにキスしてもらってて、それを見た西島くんと日高さんも、真司郎と同じような顔をしていたのに、またみんなで笑いあった。


なんとか、丸く収まった…のかな？笑

また違う姿→←小さな天使ともう1人の王子様

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す