繋いだ手9

式当日 ページ1

あなたside


朝起きて、カーテンを開けると、明るい陽射しが差し込んでくる。


陽射しを浴びて、大きく息を吸い込んだ。


今日は、私と真司郎の結婚式。


あ「晴れて良かった…。」


しばらく眺めていると、起きてきた真司郎。


真「ん、おはよーさん、晴れたな。」


あ「うん、」


そこから私達はいつも通りにご飯を食べて、用意をすると、車に乗り込んだ。


真「Aあれ持った？」


あ「えーと、うん、大丈夫。」


真「ほな行こか。」


✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻


職員「お受け取りしました。おめでとうございま
　 す。」


あ真「ありがとうございます。」


区役所のドアを出て、お互いに立ち止まると、顔を見合わせる。


真「…奥さん？」


あ「…旦那さん？」


お互いに呼び合い、その呼び方に、胸の中がくすぐったくなって、笑いあった。


私達は式場へ向かう前に、区役所を訪れて、たった今、婚姻届を提出してきたところだ。


式当日に提出しようと決めていた私達。


あ「なんか、まだ実感ない、」


真「そらそうやろ、数分前やもん笑」


あ「それもそうだね笑」


真「それにしても、なんや呆気なかったな、」


あ「あんなものなんじゃない？」


休日なのもあるからなのか、それともそんなものなのか、婚姻届を提出する時、あまりにも簡単すぎて、少し拍子抜けしてしまった私達。


それでも、【おめでとうございます】と言われた事が嬉しかった。


今日から私達は夫婦となる。


当然、まだ実感なんてものはないけれど。


これから少しずつ、実感していくのかな、なんて1人思う。


真「A、ん、」


差し出された右手に、左手を重ねる。


真「これからもよろしくな、奥さん。」


わざとらしく言ってくる真司郎。


あ「私こそ、よろしくね？旦那さん。」


私も真似して答えたけれど…。


やっぱり、胸の中がくすぐったくて、笑いあう。


真「ほな、行こか。」


あ「うん。」


繋がれた手をぎゅっと握りしめて、歩き出した。





　

内緒事→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す