繋いだ手10

呼び出されたのは ページ43

あなたside


飲み会から数日後のある日。


浦「A、宇野、日高。
　 話したい事があるから、一緒に会議室来てく
　 れる？」


浦田部長からの呼び出しに、3人で顔を見合わせる。


浦田部長の後ろを歩きながら、3人で肩を寄せ、声を潜めて、話しながら歩く。


実「ねぇ…話って何だと思う？」


あ「何だろうね、さっぱりわからないんだけ
　 ど。」


3人が揃って呼ばれるような何かに、心当たりのない私達。


すると


日「俺実はさ、浦田部長に妙な事聞かれたんだよ
　 ね、」


と言った。


部長に聞こえないように小さな声で、固まって歩いている私達は、傍から見ればかなり滑稽だろう。


あ「何聞かれたんですか？」


日「それがさ…近い内に引っ越す予定とかある？
　 て、聞かれたんだよ、」


腕を組んで、顎を触りながら神妙な面持ちで言う。


実「日高さん、何かしたの？」


日「おいおい、俺が何かするわけないでしょう
　 が。」


訝しげな顔を向けられて


あ「あ…そういえば、」


日高さんの言葉で思い出した事がある。


あ「真司郎が、江原部長に日高さんと同じ事聞か
　 れたって言ってた、」


日「引っ越す予定はあるかって？」


コクリ、と頷くと


実「ちょっと待って、隆弘も言ってたよ、」


あ「え？そうなの？」


私と実彩子は直接聞かれなかったものの、3人ともが同じ事を聞かれたのは、なんで？


部長の後ろを歩きながら、私達の頭にははてなマークしか浮かんでこない。


実「ねぇ、まさかどこかに転勤とかじゃないよ
　 ね、」


日「あり得なくもないな…。
　 でも俺が聞かれるのはおかしくね？」


あ「確かに、なんか怖いなぁ。」


3人で今から何を言われるのか、ビクビクしながらもついた会議室。


促されて中に入ると、一瞬足が止まる。


なぜならそこには、
真司郎、西島くん、末吉さん、そしてなぜか千晃ちゃんがいたからだ。


あ「真司郎？なんでいるの？」


真「Aこそ。
　 俺らは江原部長に話があるから来いって言わ
　 れてん。」


日「俺達もそうだよ。
　 てか、なんで千晃ちゃんもいんの？」


千「私も浦田部長に呼ばれたの。」


呼び出されたのはいつものメンバーで。


その誰もが、なんの為に集められたのか検討がついておらず、困惑した顔をしていた。


浦「とりあえずそこの3人も座って。」


促されて、とりあえず座ったものの。


一体、今から何を言われるのだろう…。

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