繋いだ手10

その前に ページ40

日高side


あ「引っ越し？」


実「うん、子供が生まれるとなると、今住んでる
　 とこだとちょっと狭いかなと思って。
　 それに、お腹が大きくなって、動きづらくな
　 る前に引っ越したいんだよね。」


西「今住んでるとこ、もう5年くらいになるし、
　 そろそろ引っ越したいなと思ってたし。」


末「奇遇だな。俺達もさ、輝がすげー動くように
　 なってきたから、引っ越し考えてるんよ。」


真「そうなん？」


美「もうそのへん走り回るし、もう少し広いとこ
　 ろがいいなーって。」


みんなが引っ越しを考えてる、と言うのを聞いて、伝えるなら今かなと口を開く。


日「実はさ、俺達もそろそろ一緒に住もうかと思
　 ってんだよね。」


末「まじ？あの日高が？！」


日「秀太、その言い方誤解を招くからやめろ、」


引っ越しの話が出たタイミングで俺が切り出した。


俺は今、前勤めてた会社と、今の会社の中間地点に住んでいて、車通勤させてもらってるんだけど。


千晃ちゃんとも恋人同士になってそろそろ1年になる。


前の会社にいた時は、週末しか会えなかったけど、今は同じ会社で毎日会える。


そして今はどちらかの家を行ったり来たりしてるわけだけど、そろそろ一緒に暮らそうか、と話していたんだ。


日「俺らもそろそろ1年になるし、」


末「へえーあの日高がねぇ、」


日「だからその言い方笑」


西「それは、つまりそういう事？」


日「西島、突っ込んでくるね、」


と、少し苦笑いを浮かべてると、
何が言いたいのか、察しのいいみんなは視線を俺に向けてくる。


日「もちろん、それも視野に入れてまずは一緒に
　住もうかと思って。」


【結婚】


俺はもちろんのこと、千晃ちゃんも意識してること。


俺達以外はみんな結婚したし、そういう話も2人で自ずとしてきたことだ。


千晃ちゃんと恋人同士になって、千晃ちゃんの良いところも、ほんとは弱いところも見てきた。


そんな千晃ちゃんが好きだし、守ってあげたいと思うし、ずっと一緒にいたいと思ってる。


何よりも、千晃ちゃんといるのが心地良い。


俺にとって千晃ちゃんは、何よりも安らげる存在。


ただ、俺達は知り合って恋人同士になってから、みんなに比べればまだまだ関係は浅い。


まずはもう少し深くお互いを知って、良いところも、悪いところも全部理解しあってからだと思ってる。


だから、結婚を視野に入れての同棲から始めようかと思ったんだ。

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