繋いだ手10

頼ってほしいし甘えてほしい ページ10

真司郎side


あ「真司郎に頼ってばっかりで、ごめんね？」


Aの申し訳なさそうな顔。


真「アホやなぁAは。そんな事思わんくて
　 ええのに。」


あ「そうは言われても…。」


真「俺、嬉しいねんけどなぁ？
　 Aに頼ってもらえて。」


あ「そう、なの？」


真「おん、そやで。
　 Aに頼られるんやったら大歓迎や。
　 それにもっと甘えてくれてもええくらいや
　 し。」


Aは普段、自分で何でもしようとするところがある。


性格上のとこもあるけど、俺はもっと頼ってほしいし、甘えてほしいと思っとる。


それがわかっとるから、自分から声をかけて甘えてくれるように仕向けたりする事があるくらい。


やからLAにおる今、英語のわからんAに、頼ってもらえたり、甘えてもらえるのが嬉しくてたまらない。


真「それに、説明すんの面倒くさいなんて
　 全然思ってないで。」


あ「ほんとに？」


真「ほんまに。そんなん思ってたら誘ってへんか
　 ら。」


英語ができひんのがわかってる上で、LAに行こうって言うたんは俺。


やから、説明すんのが苦とかはまったくない。


逆に、色んな事を教えてあげたいとさえ思っとる。


真「俺は英語が得意やから、それを活かせる場所
　 で活かすんは当たり前やし、頼ってくれたら
　 いいねん。」


あ「ほんとに？」


真「ほんまに。」


そこまで言って、やっとホッとしたような表情を浮かべた。


真「やから、Aは俺に頼って甘えてたらえ
　 えの。わかった？」


あ「うん、わかった。たくさん頼って、真司郎
　 に甘えちゃう。」


真「今だけやなくて、日本に帰ってからも甘えて
　 や？」


今だけなんは寂しすぎるし、もっとイチャイチャしたいのが本音。


もっと甘えてほしいし、俺がAを甘やかしたい。


あ「でも、少しくらいはやっぱり英語できたらい
　 いなぁ。
　 これを機会に勉強しようかな？」


真「そうなん？興味わいた？」


あ「うん、だって真司郎かっこいいんだもん。」


え？かっこいい？


真「俺、かっこいいん？」


あ「うん、英語話してる真司郎、すっごくかっこ
　 いい！」


真「…もっと言って、」


あ「真司郎かっこいい！素敵！大好き！！」


Aが言ってくれる言葉が最高に嬉しい。

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