繋いだ手10

集められた理由 ページ45

あなたside


真司郎の隣に座って、今から何を言われるのか2人で顔を見合わせていると、配られた資料。


その資料の表紙には【シェアハウス型住宅】の文字。


あ「シェアハウス型、住宅？」


真「なんそれ、シェアハウスは聞いたことあるけ
　 ど…。」


周りのみんなも聞きなれない言葉に、同じように首を捻っていると


浦「今日みんなに集まってもらったのは、そこに
　 書いてある、シェアハウス型住宅の、モニタ
　 ーを頼もうと思ってるんだ。」


西「モニター？」


末「俺達全員で、ですか？」


日「一緒に住むってこと？」


そこから浦田部長の説明が始まって、話を聞くと。


私達の会社は、手広く事業を展開しているわけだけど、今度新しく土地開発の分野に参入するとのこと。


そこで考えられたのがこの【シェアハウス型住宅】らしい。


シェアハウスといっても、1つの建物にみんなで暮らすわけではなく、住むところは別々。


1つの大きな土地に、一戸建てが4軒あり、シェアするのは、主にエントランスとなる中庭部分。


浦「今度新しく土地開発することになって、
　 その第一弾がこのシェアハウス型住宅なん
　 だ。
　 言葉の通り普通の土地開発と違って、少しだ
　 け特殊なんだよ。
　 だからまずはモニターしてもらって、その結
　 果で今後の事業展開をしていくことになる」


江「ほんとはさ、モニター一般募集しようかと思
　 ったんだけど、浦田がお前達にやらせてみた
　 いって言い出してな。」


浦「お前達普段から仲良いし、うまくやるんじゃ
　 ないかと思ってね。」


江「一般から集まった人達が、もし何かの不一致
　 でうまくいかなかったら、とか考えると、
　 お前達気心知れてるしいいかなと思ったんだ
　 よ。」


思ってもみなかった話に、一同驚きが隠せない。


真「でもモニターって、もしかして責任重大…なん
　 やないですか？」


江「與、その通り。
　 このモニター結果で、今後の事業方針や展開
　 が決まってくるからな。」


西「えーまじすか？！」


浦「脅すわけじゃないけど、お前達にかかってる
　 笑。」


末「マジかー、」


浦「お前達を選ばせてもらったのは、ただ仲が
　 いいだけじゃないんだよ。」


日「と、いうのは？」


浦「このシェアハウス型住宅にはコンセプトが
　 あるわけなんだけど。
　 そのコンセプトは“助け合い"なんだ。」

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