繋いだ手10

なんで？！ ページ37

真司郎side


膝の上に輝を座らせて、ご機嫌な俺。


なんで子供ってこんな可愛いん、ほんま連れて帰りたいんやけど。


懐いてくれた輝は、今俺の膝の上に座って、にこにことミニカーで遊んどるんやけど、その様子がたまらなく可愛い。


そんな輝を、隣のAと2人で遊んであげながらデレとると


実「あんたたち、いいパパとママになれるよ。」


あ「そうかな？」


千「そうですよ、こんなに懐いてるし、扱いも
　 上手だし、きっとなれますよ。」


おん、俺もそう思う。


日「結婚したばっかだけど、2人は子供まだ考えて
　 ないの？」


西「そういや、ハネムーンベ…、」


真「それはない。」


末「否定すんの早笑」


言い終わる前に否定した俺。
聞かれるやろうと予想済みやし。


実「あんたたちに限ってそれはないだろうと
　 思ってたけど、否定すんの早すぎだから笑」


と笑われる。


あ「んー、もう少し先、かな。ね、真司郎。」


真「おん、」


俺もAも子供好きやけど、それはまだ先の事。


でもこうしてると、ほんま可愛いし、欲しくなってきてしまう。


すると


末「お前らはまだ、お互いの事独り占めしたいんだろ？」


美「だよね、結婚したばっかりだしもう少し2人
　 きりでいたいよね。
　 それにしても初恋同士で結婚なんて、純愛
　 だね、素敵すぎる。」


それを聞いて、飲んでたお茶を吹き出しそうになる。


真「え！？み、美里さん、今なんて…？」


聞こえてきた言葉に、空耳かと思わず聞き返すと


美「え？初恋同士なんでしょ？」


逆にきょとんとした顔をされてしまう。


真「ちょっとまっ、なんで？！」


なんで知ってるんか動揺して、少し早口になる。


美「え、違うの？秀ちゃんから聞いたんだけど、」


顔を見合わせた2人。


ちょっとまて。


真「なんで…、誰が、」


末「西島。結婚式の時聞いたけど？」


日「俺も、」


千「私も、」


当たり前のような顔をして言ったみんな。


よくよく考えればわかるはずやん、あいつしかおらんって…。


そこで思い出す。


だからか。


結婚式の時、なんかみんな意味有りげな、ニヤついたような、何かを知ってしまったような顔しとったんは。


あいつー、あんだけ言うたのに！


当の西島は、イタズラがバレた子供みたいに、静かに扉に手を掛けて、こっそりと個室を逃げ出そうとしとる。


逃がすか。


真「おいこら、西島。どこ行くねん。
　 ここ座れ。」

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