繋いだ手10

好きだから ページ17

真司郎side


あ「だってその人の事が好きだからでしょ？
　 やきもちやくの。
　 やきもちやかれると、あぁ、私の事好きなん
　 だなってわかって、むしろ嬉しくなっちゃ
　 う。」


へぇ、嬉しいんや、ふーん。


俺もAにやきもちやかれんの、嬉しいねんな。


あ「花村くんは、どうだった？
　 やきもちやかなかった？
　 やかれて嫌だった？」


花「俺も彼女いた時は嬉しかったかも。
　 それに、俺もやきもちはやいてたかなぁ。」


あ「でしょ？」


花「Aさんもやきもち、やくんですか？」


あ「もちろんやくよ？
　 だって真司郎の事が大好きだもん。
　 きっと、この先もずっとやいちゃうと思
　 うな。」


照れながらくしゃりと崩した笑顔に、ドキっとしつつ、Aがどう思ってんのか聞けて、ニヤける俺の顔。


俺もこの先、ずっとやきもちはやくやろうし、
Aと同じで、やきもちをやかなくなる日は、きっとこない。


お酒でふわふわしだした頭で、にこにこしてるAを緩んだ顔で眺めていると


花「まーた與さんデレてる、きしょい。」


真「きしょいってなんやねん、失礼やな。」


花「ほんまのことですやん、」


真「うるさいわ、」


そんなやり取りをする俺達を見て、Aがくすくすと笑いだすと


花「あ、やべ…。」


想太が呟いて顔を赤らめた。


花「Aさんの笑顔にやられた。
　 俺のハートもってかれたわ。
　 惚れたかも…。」


真「へぇー、」


花「あれ、やきもちやかないんすか？」


真「おん、想太は、やく価値ないからええ、」


Aの気持ち聞けたし、想太の扱いが雑になってくる俺。


花「なんすかそれ！」


目を丸くした想太。


花「ほんなら、口説いてもええんですね？」


真「Aが断るってわかっとるもん。
　 お前聞いてたやろ？
　 俺の事大好きやって、なぁA？」


あ「うん///」


花「なんすかこれ…與さんに腹立つけど、なんか
　 羨ましい…。
　 俺もAさんみたいな彼女欲しい…。」


真「そうおらんと思うけどな、Aみたいな
　 ええ子。
　 ま、頑張って見つけてやー。」


あ「もう真司郎。
　 花村くんなら、きっとすぐにいい子見つかる
　 と思うよ？」


花「Aさん優しい！與さんと大違いや
わ。」


真「はいはい、何とでも言ってやー。」


花「俺の扱いひどない？！ねえ！！」


想太をおちょくりながら、その後も楽しい時間を過ごした。

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