繋いだ手4

誤解 ページ43

西島side


中「だって…もういいって―――。」


西「あいつはちゃんと自分の夢叶えて、LAに行
　 ったよ。
　 もう2年近く前かな？
　 それにあの2人が恋人同士になったのは與が
　 夢を叶えたあと。
　 だから與が言ったもういいって言うのは、
　 そういう意味じゃない。」


言葉足らずなあいつも悪いところはあるから誤解しても仕方ない、與が言った【夢はもういい】っていうのは、もう夢が叶ったし、
もしまたそういう話が来ても受けるつもりはないって意味。


いつだったか仕事の話してた時に與が言ってたんだ。


西「それに、Aちゃんは與の夢の邪魔な
　 んかしてないよ。
　 むしろ、誰よりも與の夢応援してた。」


それは見ててもよくわかった。


西「Aちゃんもあいつが夢を叶える為に
　 頑張ってるの誰よりも1番近くで見てたか
　 ら、與から夢が叶ったって聞いた時、本当
　 に嬉しそうな顔して喜んでた。」


そういやあの時、2人で手繋いで喜んでたな、今となっては懐かしく感じる。


西「Aちゃんにも夢があってさ、お互い
　 の夢が叶うように頑張ろうって約束したん
　 だって。」


Aちゃんと出逢って少しした頃、2人でお互いの夢の話をした時に、お互いに夢が叶うように頑張ろうって約束したんだって、応援してるって言ってくれたって。


西「だからそれは誤解だよ。」


中「…っ――――。」


西「あいつ、出逢った時からAちゃんの
　 事ずっと好きだったんだって。
　 3年近く片思いしてたんだよ、あの與が。
　 まぁそれ聞いたの俺もあいつがLAに行く直
　 前だったんだけどね。」


ほんとあいつ言うの遅すぎだったわ、なんて事を思い出す。


西「自分には夢があるからって、あいつ自分の
　 気持ちに嘘ついたりしてさ。
　 Aちゃんの事好きなくせに、応援し
　 てくれてるAちゃんの事がっかりさ
　 せたくないって、気持ち隠したままLA行っ
　 たんだよ。」


中「うそ…。」


西「ほんと。
　Aちゃんも與に夢があるの知ってたか
　 ら、最後まで何も言わなかったの。
　 あの2人さ、ほんと呆れるくらい不器用で、
　 似たもの同士なんだよ。」

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