繋いだ手3

その時 ページ33

真司郎side


大切な2人の披露宴が終わって部屋へ帰ってくると着替えてからAと2人ソファへ並んで座った。


Aはスマホを開くとさっきの披露宴の様子や宇野ちゃんの白無垢姿の写真を見て嬉しそうに顔を綻ばしている。


あ「今日の実彩子凄く綺麗だったね、西島くん
　 も格好良かったし披露宴も素敵で、幸せそ
　 うな2人の姿を見れてほんと嬉しかった
　 な。」


真「そやな、ほんま幸せそうやった。」


写真にはケーキを食べさせ合ってる姿やみんなで一緒に撮った写真、最後ブーケを手渡されて宇野ちゃんと2人涙を流してる写真なんかが写ってる。


披露宴の間俺はと言うと、Aやったらどんなドレスが似合うかな、なんて実は考えとった。


Aやったら白無垢姿ももちろん似合うやろうけど、ドレスやったら裾のふんわりしたお姫様みたいなんも似合うやろうし、大人っぽい形のも似合うやろうなぁ、
カラードレスやったら色が白いAは少し濃い目の色でもええやろうし、淡い色でももちろん可愛いやろ、なんて。


式は教会でもええし、人前式とかあとは海外で2人きりで挙げるんもええよな、Aのドレス姿独り占めできるやん。


また1人Aのドレス姿やらを思い浮かべて頬が緩んでしまい、
そういや披露宴の時も顔が緩んどったみたいで、末吉さんに突っ込まれたんやった…
【真司郎お前顔緩んでるけど違う事考えてるだろ】って。


言い当てられてしまってあの時は苦笑い返すしかなかったわ。


あ「真司郎どしたの？何か考え事？」


また1人で色々考えとったらAに言われてしまった。


真「ん？Aよく泣いてたなと思っただ
　 け。」


Aとの事考えとったなんて言われへんから咄嗟に誤魔化した。


あ「やっぱりたくさん泣いちゃった。
　 でも真司郎も涙ぐんでたの、知ってる
　 よ？」


と、少し意地悪く言うAに動揺する俺。


あ「西島くんの挨拶の時、目が潤んでるの見ち
　 ゃった。」


嘘やん、バレてへんと思ってたのに…。
西島が挨拶をした時、予想してた事やけどぼろぼろと涙をこぼしながら話すあいつを見て不覚にも貰い泣きしてしまったんや、まさか見られとったなんて。

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