繋いだ手3

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あなたside


真司郎から元カノさんの話を聞いてショックというよりも予想はしていたけど、やっぱり嫉妬してしまう自分がいた。


私の他にも真司郎に同じように優しくしてもらった人がいること、同じように愛しい瞳で見つめた人がいたこと、同じように気持ちを伝えた相手がいること。


わかっていたことだけど、でも知らなくて1人悶々とするよりも聞いておいて良かったと今は思ってる。


たとえ過去にそういう人がいたとしても今は私のそばにいてくれている、それだけで十分じゃない。


いくら過去を知ったからと言って私の気持ちが変わるわけではないし、話してくれた事で私の中の不安を少しでも和らげてくれようとしてくれた真司郎の優しさを改めて感じたし、それに話してくれたことで私達の仲が壊れるわけでもない。


私の真司郎への気持ちは、想いは、そんな事では変わらないから。


でも、同窓会があるって事は真司郎はまた告白されたりしちゃうのかな、だってその時に言えなかった子とかいるかもしれないし、それにその場で今の真司郎に恋をしてしまう人もいるかもしれないってことでしょ？


それは、やだな…。


だからといって私が行かないで、なんて言える権利があるわけでもない。


それに友達は大切にしてほしいというのが私の気持ちだし、卒業してから会ってないとも言っていたから真司郎も会いたいだろうし…。


…私って自分で思っているよりも嫉妬深いのかもしれない。


真「俺やっぱり同窓会行くんやめよかな。」


あ「…え、なんで？」


真「やって女の子おるから不安にさせたないし
　 それにAが1番大事やから。
　 Aが嫌やと思うことはしたくない、
　 Aとおるほうが楽しい。」


また真司郎は私の胸の中を見透かしたかのように言ってくれる。


あ「なんで真司郎は私が思ってる事わかっちゃ
　 うのかなぁ、…エスパー？」


そうやって察してくれた嬉しさを隠すように少しおどけてみせると、お腹にまわった腕に力が加わる。


真「そんなんAの事が大好きやからわか
　 んの。」


さらっとそうやって気持ちを伝えてくれる真司郎に、また私の胸はきゅんとしてしまうんだ。


真司郎にはかなわないなぁ。

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