繋いだ手2

母性本能 ページ49

あなたside


あ「2人共手伝ってくれてありがと。」


楽しい時間はあっという間で後片付けが済んでみんなを見ると、酔い潰れてる人がちらほら。


日「ほら秀太帰るよ。」


末「俺今日ここ泊まる…。」


日「駄目に決まってんでしょーが。」


余程楽しかったのか飲みすぎた末吉さんと西島くん、あともう1人、珍しく真司郎も酔っているみたいでソファでウトウトしてる。


日「じゃあねAちゃん、こいつらは責任
　 もって送ってくから。」


車でみんなを拾ってきた日高さんだけしらふだ。


玄関先でみんなを見送ってリビングに戻ると、ミネラルウォーターを持って真司郎のそばへ行く。


あ「真司郎、お水飲む？」


真「ん、飲む。」


顔をほんのり赤く染めて起き上がった真司郎はとろんとした瞳のままソファに座ると水を飲んでひと息つき


真「Aー、ん。」


私の方へ向き直った真司郎は、目を瞑ってほんの少し唇を突き出す。


…もしかして、おねだりしてる？


唇を突き出す真司郎が可愛くてたまらずくすっと笑みが浮かぶ。


さっきのソースの事が浮かんでちょっと仕返しをしようと、ほっぺたにちゅっと口づけをすると


真「ちゃう、んー。」


と更に唇を突き出す始末で、もうほんと可愛いなぁと思いながら、唇に軽くちゅっと口づけた。


目を開けるととろんとした瞳のままにこっと微笑んで抱き寄せられると


真「A好き。」


言いながら頬をすり寄せてくる仕草に胸がきゅう、と甘く締め付けられる。


いつも甘い真司郎だけど、どうやら酔うと更に甘くなるみたい。


そんな甘えたさんな真司郎がほんとに可愛くて、頬が緩みっぱなしになってしまう。


あ「真司郎甘えたさんだね？」


真「Aにだけやもん。」


なんて言ってくるから更に頬が緩んじゃう。


抱き締められてる腕を緩めて少し身体を離すと


真「A眠い…膝枕して？」


とまたおねだりをしてくるから、初めてて恥ずかしいけど【いいよ】と返すと嬉しそうな顔をしてごろんと横になり、腰に腕を回してお腹に顔を埋(うず)めるようにすると静かに目を閉じた。


その姿が小さな子供のようで母性本能をくすぐってくる。


真司郎の柔らかい髪に指を通し、梳くように頭を撫でるとほんの少し微笑んで


真「Aー、好き。」


とだけ呟くと寝息を立て始めそんな可愛らしくて初めて見る姿に、届かないかもだけど


あ「私も好きだよ。」


と呟いた。

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