ボーメ ページ45
が、災いというものは二度起これば三度起こるもので。
ある日の散歩中、神ちゃんの靴紐が解けてしまい、
屈んで結んでいると
そこ目掛けてトラックが向かってきた。
スピードは弱まるどころか、加速している。
なんだか運転手の様子がおかしい。
フェリ「!神ちゃん!!;;;」
俺は咄嗟に神ちゃんを庇うように抱きしめ___
トラックを、素手で止めてしまった。
しかも片手だけで、神ちゃんの前でだ。
神ちゃんは怯えた目をして俺を突き放し、後ずさっていく。
神「あ、ああ………」
フェリ「待って、待って神ちゃん…;;」
神「く、来るな……」
フェリ「神ちゃんお願い、話を聞いて…」
神「ば、バケモノ…!!!」
『バケモノ』
それは気持ちの良い言葉ではなく、
愛する人から言われるのにはとても痛い言葉だった。
神ちゃんは走り出し俺から逃げる。
フェリ「待って、神ちゃん___!!」
錯乱状態に等しい神ちゃんは
腕を掴むと思い切りそれを払い除け、
再び必死に逃げようとする。
前を向いた神ちゃんは何かにぶつかるように動きが止まり、
俺の目の前で崩れ落ちた。
そして神ちゃんがぶつかったソレに、俺は息を呑む。
フェリ「……兄ちゃん……」
ロヴィ「よ、フェリシアーノ
…と、その亡き御友人」
見ると、兄ちゃんの右手には血のついたナイフが握られており、
神ちゃんの腹部からもまた、血が流れていた。
フェリ「______や、神ちゃぁぁん!!!」
その時やっと状況を悟った。
フェリ「なんで……なんで神ちゃんまでっ!!
待って、神ちゃん、今助ける___ハッ;;」
___助ける___??
ヴァンパイアにして??
神ちゃん自身を、
彼が怖がった『バケモノ』にするの???
俺はどうしていいか分からなかった。
ロヴィ「……助ける??
ヴァンパイアにすんのか???ハッ
やってみろよ」
フェリ「……んで……こんなことっ……」
ロヴィ「お前のそのアホ面がムカつくんだよ。
あ、あと忘れてたけど
このナイフ、即効性の毒が塗ってあるから。
そいつの命、いいとこあと2分だぞ」
フェリ「………殺す」
俺が見上げると、兄ちゃんはもうそこにはいなかった。
フェリ「…うっ、うう…ごめん神ちゃん………」
腕の中で冷たくなった彼を、俺はずっと抱きしめていた。
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青蝶(プロフ) - なおさん» ありがとうございます(歓喜)皆様の暖かい御支援が励みになっております(_ _) (2015年8月28日 11時) (レス) id: 99c48319eb (このIDを非表示/違反報告)
青蝶(プロフ) - なおさん» なんてこった/(^o^)\ぱんなこった\(^o^)/のほうですか?w (2015年8月28日 11時) (レス) id: 99c48319eb (このIDを非表示/違反報告)
なお - すっごくいい作品ですね! (2015年8月28日 2時) (レス) id: 51bdff1220 (このIDを非表示/違反報告)
なお - 題名がw (2015年8月28日 2時) (レス) id: 51bdff1220 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - がんばれ!!! (2015年8月21日 22時) (レス) id: 4ef3f00aa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青蝶 | 作成日時:2015年5月9日 22時