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トコフェノール ページ44

ゾクッッッ…!!!



寒気がした。



兄が人間の顔つきではない。





フェリ「どう……して………」




声が出ない。




足に力が入らない。




ロヴィ「……遅かったな…


もう少し早ければ一緒に送ってやったのに」




フェリ「や……やだ……」





ロヴィ「……フェリシアーノ……」




ジリジリと詰め寄られ、必死に這い後ずさりする。




フェリ「や…来ないで……」




ロヴィ「……お前には、ヴァンパイアになってもらう」




自分の手首を噛み、俺の口に押し当て、




フェリ「や……やだ……兄ちゃ……!!」




兄ちゃんは短剣で俺を刺した。






意識が飛び、再び目が覚めると
俺はベッドに寝かされ、刺された傷もなくなっていた。



兄ちゃんの姿は見当たらなかった。




初めはこのまま死んでやろうと思ったが、できない。


俺にそんな勇気はなかった。





ヴァンパイアについて調べに調べると、
どうも血を吸わなければ死ぬらしい。




どうしたものかと考えているうちにも、
俺の身体は血を欲するようになっていく。



ある日の夜、
喧嘩をしている酔っ払い達にぶつかり、絡まれてしまった。



苛立ちながらもかわし、通り抜けようとするが、
1人に殴られ、条件反射的に殴り返してしまう。



そいつから出た血を見て、
俺の中で何かがドクッと脈打ち、そこで意識が途切れる。




意識が戻ると、雨が降っていて、
目の前には冷たくなったそいつと、
水溜りに映る血塗れの自分がいた。




とうとうやってしまったのだ。




俺は完全に兄と同類の「バケモノ」になってしまった。




もう、後戻りはできない。
自分で死ぬこともできない。




___じゃあもう、いっそのこと___…




自分のしたいことをしようか。





そうだ、アメリカへ飛ぼう。




丁度アントーニョ兄ちゃんが、
アメリカで教師になると聞いた。




彼は俺の幸せな記憶の1つでもある。




そこで絵を描くんだ。




こちらでは話を聞いたことがないが、
向こうならきっと魔女もいる。




なんとかお願いして、
日中も日光を気にせず歩けるような
シルバーアクセサリーを作ってもらおう。




そうしたら……
寿命が長くなったとはいえ、
少しでも真っ当な人生を歩み直せるのではないか。




そう思って、神ちゃんに話をすると、
彼も快く応援してくれた。



君も一緒に来ないか、と誘ったが、
彼はここに残ると言った。

ボーメ→←ボトム



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青蝶(プロフ) - なおさん» ありがとうございます(歓喜)皆様の暖かい御支援が励みになっております(_ _) (2015年8月28日 11時) (レス) id: 99c48319eb (このIDを非表示/違反報告)
青蝶(プロフ) - なおさん» なんてこった/(^o^)\ぱんなこった\(^o^)/のほうですか?w (2015年8月28日 11時) (レス) id: 99c48319eb (このIDを非表示/違反報告)
なお - すっごくいい作品ですね! (2015年8月28日 2時) (レス) id: 51bdff1220 (このIDを非表示/違反報告)
なお - 題名がw (2015年8月28日 2時) (レス) id: 51bdff1220 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - がんばれ!!! (2015年8月21日 22時) (レス) id: 4ef3f00aa1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青蝶 | 作成日時:2015年5月9日 22時

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