8 重岡side ページ8
重岡side
「元彼のやつや！」
そう言うのは幼なじみのA
こいつの口からまさか
元彼なんてワードが出てくるとは思わず
一瞬驚くも
「なんで元彼の服がまだあんねん
何ー？引きずってんのー？」
からかいながらそう言う俺
Aは俺の言葉を聞くなり
少し考え込んだ表情になるが
「んーん。ぜーんぜん。」
なんて寝そべりながら首を降る
嘘やん。引きずってるやん。
なんてすぐに分かったけども。
「お前もさぁ、付き合ったりするねんな」
なんて言ってみたら
うちのことなんやと思ってんの？って
冷静に返されて笑ってしまった。
やけど、
なんか、Aが付き合うとか元彼とか、
そんな言葉はすごく違和感があって
なんか、似合わへん。
そんなAはいつの間にか
目を閉じて眠ってしまっていた。
変わってなくて安心した。
そう言うAに
やっぱりAは変わったなぁって。
やってこいつこんな細なかったやろ。
手首だけじゃない。
全体的になんか、やつれてる？
そんなAのほっぺを手で挟むと
ぷくーと膨らむ唇。
そんなあほ面に思わず笑ってしまう。
よく高校にときこれやったら
怒られたなぁ。なんて思いながら
そのほっぺの柔らかさは変わってなくて
やっぱり、お前も変わってへんのかもな
なんて思ってAを見ていると
「んんー」
そう、唸り出すA
苦しそうに眉を潜めて
身体全体に力が入ってる。
「めっちゃ悪夢見てるやん」
そう思いながらもしばらく
Aを見つめていると
「しげがええ」
苦しみながらもそう呟くA
「なんやそれ。かわええやん。」
夢の中に俺出てきてるんか
じゃあなんや？悪夢は俺か？
なんて考えたら笑えてきた。
「ほーら。ベットに移動すんでー」
そう言ってAを抱きかかえて
ベットへと移動させる。
「やっぱり痩せたな」
Aを寝室に運んでベットの上に寝かせる
ふと、目に入ったのは机の上に
広げられている資料。
こいつの職業は記者。
よく高校のときの友達とかでの
集まりもAだけ仕事で来れないことが多い
なんやかんや俺らの周りでは
こいつが1番忙しいんかも。
そんなことを思ったら
おもむろにコンビニへと向かっていた。
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作者名：kaname | 作成日時：2017年3月22日 1時
