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「アホー、涙止まらんやん。
もう、なんなん。はよ、帰れ!」

しげの腕を振りほどき
帰り道の方向へとぼとぼ歩き出す私。

私の少し後ろで聞こえる足音。


私も止まると足音も止まる。


後ろを振り返ると
そこには眉間にシワを寄せたしげ。


「ストーカーなん?」

そう言うと

「お前なぁ」

呆れ口調のしげ。

「彼女待ってるから帰って!
優衣ちゃんと笑ってて、それでええ。」

そう。それでええねん。

もう、うちやめる。

やめられないけどやめるよ。

やめ方分からんけど


もう、辛いもん。


「お前何言ってんの。」

そう言うしげ。

ほんまに、こいつ。
なんも分かってへん


今すぐしげに抱きついて
好きだと伝えてしまいたい。


でも、


優衣ちゃんの笑った顔が浮かぶ。


うちって、邪魔者やもん。


うちの気持ちほんまに邪魔。
いらんねん。こんな気持ちは…


うん。ダメやな。
いつまでもガキはあかん!


「しげ!ごめん!心配かけたよね!仕事がさぁ上手くいかなくて〜、記者って大変なんよ〜!明日も朝早いし!うちはさっさと帰るからしげも優衣ちゃんのとこ帰って!わざわざごめんな!ありが…」


「わっかりやすい嘘つくなや。」

バッサリと切り捨てられる。
私の言葉。


ありがとう

を、最後まで言わせろよ。


そうそう。しげと目を合わせたら駄目なんや


しげにうちの嘘は全部見抜かれるから。


「いつから俺にそんな嘘つくようになったん。」

そんな事言うしげはちょっと拗ねてる。


いつからってか、ずっと嘘ついて
頑張って振りまいてんねん。

そこ気付いてよ。

なんて思うけど気づいて欲しくもない。


この関係は絶対壊したくないもん。

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作者名:kaname | 作成日時:2017年3月22日 1時

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