あなたしか見えなくて。(赤) (ページ13)

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温めてくれた朝食は湯気が立っていて
手を合わせていただきますをした。

「美味しい～」

なんか、安心する味。というか

あれ、なんやろ。なんかやばいかもしれない

気付いたら流れていた涙。

「え？泣いてんの？！」

そう叫ぶしげは私の顔を覗き込む。

「いや、なんか温かいご飯久しぶりやなって…。」

やばい、止まらない。

「おお～、大丈夫か？ほら、ティッシュ」

そう言ってティッシュを私の頬に
無理やり押し付けるしげ

「うぅ～」

声が出るほど泣いてるうち

こんなに泣いたのは久しぶりや

「泣いたらもっと、ぶっさいくになんで」

なんて、言って笑ってるしげの腹に
グーパンチをしてやった。

痛いわ～、凶暴やわ～

なんて、大袈裟なやつ。

だけど、自然と笑っちゃってて

結局しげのペース

「はぁ、落ち着いた」

「それは良かった」

しばらくしたら普通に
しげの作ったご飯を食べていた。

「こんなんで泣くとか心配なんやけど」

黙々と食べていたら
ふと、そう話しかける向かいに座ってるしげ

頬杖をついて真っ直ぐ見てくるもんだから食べてるところをずっと見られていたのだと気づき急に恥ずかしくなった。

「ほんまやなぁ～。でも、大丈夫やで！怒られてばっかやけどやっぱり仕事楽しいから」

そう言いながら豪快に口を開けて食べていたご飯を少しずつ食べる。