あなたしか見えなくて。(赤) (ページ1)

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「なぁ、終電逃しちゃってさぁ、泊めてくれへん～？」

「………………はぁ！？」

思いも寄らない携帯越しの言葉に
思わず大声で叫んでしまう私。

「なぁ、駄目かー？あかんー？」

そんな重岡大毅ことしげの言葉は
ろれつが回っていない。

これは完全に…、

「しげ、酔ってるやろ？」

「んー？酔ってないよぉ？」

そんな風に否定するしげは
何やらとても楽しそう。

うん。酔ってるなぁ、完全に。

そんなしげに少し呆れながらも久しぶりの電話に何処かふわふわと舞い上がっているもんだから、こいつには叶わない。

なんでなんやろ。なんでうちは、

「なぁー？」

「分かったよー！行くからぁ！
どこに居んの？」

「●▲駅！」

すぐに返ってきた答えに

「分かった。車で行くから待っとって！」

そう伝える。

「うぇーい！
やっぱり、持つべきものは幼なじみや！」

なんて明るく言うしげの言葉。

そう、私としげは幼なじみ。

出会った時からそう。
この関係は変わらない。

そんなしげとの電話を終わらせて
駆け足で車へと乗り込んでしまう私。

結局、ほっとけない。

なんでうちは、

こんな奴のことずーっと好きなんやろ。