【文スト】人工信者【中原中也】

陸 ページ15

結局その後、『謎の女』についての有力な情報は得られることが出来なかった。



『謎の女』本人も大人しくなり、ポートマフィアで薬が出回ることも無くなった。




心のどこかで、もう収束したのでは、と考える者は少なからず居ただろう。

私も其の一人だ。




「『謎の女』は無関係で、ただの弱小の密売組織であった可能性は無いのでしょうか？」




そう云った縢に、首領はにっこりと光のない笑みを浮かべた。




「ポートマフィアにあれだけの短期間で潜り込める輩は先ず並大抵の物ではないよ。

しかも、例の『謎の女』について新しい情報が手に入った。

彼女は九州の海運会社や西方の武装組織などの大手組織を幾つか潰していたらしい。少しではあるが痕跡が残っていた。

何れも崩壊の原因は薬だった。」




「…奴は大手に手を出す傾向がある。そして今までも其れに成功していたとなると、また奴は現れる。そういうことですか？」



「その通りだよ中也君。」




満足気に頷いたものの、首領は




「然し必ず此の予想が当たるとは限らない。

心の準備、位に受け取ってくれるかい？また然るべき時に指示を出そう。」




そう云ってまたにっこりと笑った。




了解しました、首領


の揃った声が、だだっ広い首領室に響いた。



首領の右側の髪を弄っていたエリス嬢が、此方を見据えてくすりと笑った。









＿＿＿＿＿其れから、二ヶ月が何事も無く通り過ぎた。


そして丁度二ヶ月と一日目。哀れにも『名を忘れた彼女』の処刑日。奇しくも同じ日に、久々の指示が届けられた。



ポートマフィア傘下の運送会社を排除し、其処で回った薬 物を調べることだった。




回った薬の種類から、『謎の女』の情報が得られる可能性があった。

漆ノ壱→←伍ノ弐

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

本日の戦利品

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