episode16 ページ16
分娩室に運ばれ生まれてきた子供を見て
安心して意識が遠のいたところまでは覚えてる
目を覚ますと先程とは変わった部屋にいた
拓司「A…?目が覚めた?」
部屋には拓司がいた
『拓司…わたし…』
拓司「A、ごめんな?一緒にいてやらなくて…。
お疲れさん。ありがとな…、俺たちの子を産んでくれて。」
拓司の暖かい言葉に涙する
『私…!1人で不安だった…。でもね、赤ちゃんが
私を助けてくれたの。空から頑張れ!って言われてる気がして…』
拓司「おう。そんなAを助けてくれた授かりものはそっちで寝てるよ」
バッ!っと体の向きを変え
寝ている我が子を見る
拓司「今、抱っこできるようにしてやっから。ちょっと待っててな」
拓司はベットのリクライニングを起こし
赤ちゃんが寝ているところから優しく持ち上げ
私に渡す
『拓司、ちゃんと抱っこできるのね』
拓司「実はさっき看護師さんに教えてもらったんだよ。知識としてあっても実際にやんなーとわかんないもんだな。」
なんてこんな時まで知識バカで
『可愛いね…目元が拓司にそっくりだ(*^^*)』
拓司「そーか?口はAにそっくりだな笑」
なんて、子が生まれてきた時に
親がするような会話を交わし
拓司「なぁ、俺こいつの名前考えてたんだけど」
拓司が突然話し出す
拓司「聖夏なんてどうかな」
『せな?なんで?』
拓司「聖なる夏って書いて聖夏。
聖は美しく知徳に優れ道理に明るい。
夏は明るく活発な子にっていう意味がある。
この子を見た瞬間、俺はAに似て
笑顔が可愛くて元気に育って欲しいし
勉強はできなくても自分が知りたいと思ったことを際限なく興味を持って欲しい。
そんな子に育って欲しいなって思ったんだよ」
拓司がいきなり話してくれるからおどろいたけど
『聖夏…か…。いいね…。この子にぴったり…。
私もこの子にはそんな思いを持ちたいな。
勉強ができなくても明るく元気に自分の興味を持ったことを飽きるまでやり通して欲しい。
拓司がクイズに没頭しているようにね』
拓司「だろ?これから2人で頑張って聖夏を
ささえてあげような。」
『そうだね』
と相槌を打ちつつ愛しの我が子に目を落とす
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作者名:まふまふ | 作成日時:2019年10月24日 20時