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その事実がわたしをこの上なく幸せにしてくれる。
わたしの存在が今ここにあるのが分かるように彼の背中を優しく擦った。



「樹さん…」
『ん?』

この温かい温もりをそっと離すと…
目の前の薄くて、ちょっと乾燥した唇にキスをした。

目を開いて驚いた樹さんの姿が可愛くて、ふわりと笑みがこぼれた。


「朝のキス…まだだったから」
『そうだった。』


今度はただ唇を合わせ合うキスを長い間たっぷりと交わした。
キスをするたびに震えて、泣きそうなくらい胸がいっぱいで、樹さんとわたしは何度も何度も口づけを交わした。


『戻るか』
「うん」
『さっきの二人が…友達?』
「うん。そう」
『用意してこいよ。
その間俺は二人にちゃんと挨拶してくるから。』
「分かった」


千紘の家に戻ると、慎太郎がわたしの顔を見て、
「戻るんだな」と言ってきた。

「うん」
「あいついんの?」
「二人に挨拶したいって」

玄関にいる樹さんを呼んで、気まずそうな雰囲気だけどわたしは荷物をまとめに千紘の部屋に行った。


ボストンバッグに詰め直していると、

「…A」
「千紘…ごめんね、迷惑かけちゃって」
「何言ってんのよ」
「本当ごめん」
「…良かったね迎えに来てくれて。
会いたいって話したらすぐに叶っちゃった。
……良い人だと思うよ私は。最初また傷つけるだけじゃないかって思ったんだけど…
でもさっきね?
『Aのこと本当に大事だから、必ず守るから』って言い切った目を見て安心したよ」

ぎゅっとまた心を締め付けられた。


「たぶん慎太郎もわかってるから。それにAが泣いた姿初めて見たよ。
あの人はAを弱くさせるかもしれない。
でもねそれって悪いことじゃないから。
強くさせる人も大事だけど、弱くさせてくれる人も同じくらい、大事なんだよ?」

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くらら(プロフ) - 椿さん» 読んでくださりありがとうございます。そして申し訳ありません。大事な部分なのに非公開になっていて今ちょっとびっくりしました。多分物語の展開が読みにくかったんじゃないかと。大変申し訳ありませんでした。私もこの二人がいつまでも幸せでいることを望んでます^ ^ (2021年10月3日 20時) (レス) @page26 id: f815a3c4d3 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 完結おめでとうございます。1本の映画を見たような、情景が浮かんできて、お話の世界ではあるけれど、二人が幸せであるようにと願うばかりです。91話が消えてしまっているようで、また読めたら嬉しいなと思っています。 (2021年10月3日 19時) (レス) id: 016a2653a3 (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - ひなたさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。今週には完結します。どうぞエンドロールまでお楽しみいただけますよう、がんばりますね! (2021年9月28日 21時) (レス) @page16 id: f815a3c4d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - くららさんのお話大好きです!涙が止まりません! (2021年9月28日 20時) (レス) @page15 id: 62306c8a0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Clara | 作者ホームページ:https://www.instagram.com/st.clara.6/?hl=ja  
作成日時:2021年9月20日 20時

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