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「伶菜、もうやめなさい」
父が静かに言った。
「なに?やっぱりこっちのほうが大切なわけ?」
「そうじゃない。二人とも僕の大事な…娘だから」
「うそ。結局私と暮らすようになってもいっつもよそよそしくて、割れ物に触るみたいに接してたじゃない」
「それは…」
「アンタは…結婚していながらお母さんと関係持つような最低な男だもんね、仕方ないか。女だけじゃなく自分の子供一人すら選びきれないに決まってる!」
「…知ってる?」
「なにを、ですか?」
「アンタの父親がなんでアンタとアンタのお母さんを捨てたか?」
『やめろ!』
樹さんが叫んだ。
『…やめてくれ』
「ふふ、私から話してあげる」
「この父親がアンタたち親子を捨てたきっかけを作ったのは……樹よ」
え?
思わぬ真実に耳がおかしくなったのかと思った。
「私はこの街でずっと父親のいない子、不倫で生まれた子。
周りはウチの金の存在があるから表面では口で上手いこと言って裏では私のことを馬鹿にしてた…ずっと嘲笑い続けてた」
「樹は幼い私が周りから馬鹿にされるたびに守ってくれた。
どんなときも俺はいつだってお前を守ってやるからって…お母さんはいつだって忙しくてろくに家にもいなかった。
しかも時間があってもとっかえひっかえするように男のとこ入り浸って。…そうよね?」
今度は自分の母親に鋭い視線と言葉を投げかけた。
「私は樹しかいなかったの…。
ずっと樹が守ってくれた。
ある時耐えきれなくなってお母さんに父のことを聞いた。
そして探偵事務所に頼った。
お金であいつらすぐ動いたわよ。未成年だとしても世の中金だから」
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くらら(プロフ) - 椿さん» 読んでくださりありがとうございます。そして申し訳ありません。大事な部分なのに非公開になっていて今ちょっとびっくりしました。多分物語の展開が読みにくかったんじゃないかと。大変申し訳ありませんでした。私もこの二人がいつまでも幸せでいることを望んでます^ ^ (2021年10月3日 20時) (レス) @page26 id: f815a3c4d3 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 完結おめでとうございます。1本の映画を見たような、情景が浮かんできて、お話の世界ではあるけれど、二人が幸せであるようにと願うばかりです。91話が消えてしまっているようで、また読めたら嬉しいなと思っています。 (2021年10月3日 19時) (レス) id: 016a2653a3 (このIDを非表示/違反報告)
くらら(プロフ) - ひなたさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。今週には完結します。どうぞエンドロールまでお楽しみいただけますよう、がんばりますね! (2021年9月28日 21時) (レス) @page16 id: f815a3c4d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - くららさんのお話大好きです!涙が止まりません! (2021年9月28日 20時) (レス) @page15 id: 62306c8a0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Clara | 作者ホームページ:https://www.instagram.com/st.clara.6/?hl=ja
作成日時:2021年9月20日 20時