恋、教えます。 -太輔-

恋19 ページ21

あなたside




太「俺ね、転校するんだ。」



心臓の止まった音が聞こえた




A「...へ？待って、


　 私、急すぎて、何が何だか」




太「ごめん、言わなくて。


　 一週間前から、決まってたのに、そのことなんにも言わずに、


　 勝手に付き合ったりしてごめん、」




太輔の私を抱きしめる力は、


さっきよりもっと強くなって、




胸が締め付けられる。






A「...いつ、行っちゃうの？」




わざと落ち込まないようにする


太輔が黙ってたことに、



少し傷ついたから。





でも、そんな強がりは、


太輔にはお見通しで、



私の声が、


震えて、また泣き出してしまいそうなことを感じて





太「ごめん、」



またそう言う。





太「でもね、」



急に太輔の声が大きくなった





太「それまでの間、


　 Aを大切にする、」




A「うん、」




消えかけてしまいそうな声で返事した




・



・



・




太「俺がお前に


　 恋、教えます。」





『恋、教えます。』は、



『付き合う』



って、


...そうとっていいんだよね？





A「...はい、



　 私に、恋、教えてください。」

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