君のヒロインになるためには

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「優しいのねAちゃんって。」

彼女は軟葉高校の理子さんらしい。
そういえば最近聞く名前だな


「いえ……
私はただ今井先輩に借りがあるので」

「借り？？」


あれは私が入学したての時。
私は喧嘩が一切できなくて
案の定ツッパリのパシリというものになった。


「なんだよこれぇぇぇ！」

「ひぃぃ、すいませんっ！」

ある日私は頼まれたパンを間違えた。
聞き間違えたというか
ツッパリがピ〇チュウパン頼む？？
聞き間違えだと思って違うの買ってきたら
この有様だ。


「俺は今ピ〇チュウパンの気分なんだよ！」

1人のツッパリが私に手を出してきたが
何故か痛みがこない。
目を開けると、パンチを食い止める今井先輩がいた


「女に手ぇだすとは情けねぇな。」

歌舞伎バリの声量でそう言うと
ツッパリ達は逃げていった。

「あ、あの、ありがとうございます！」


「お下げにメガネでオドオドしてるからだぞ。
しっかりな。」

その時から今井先輩は
ちょくちょく話しかけてくれて
今では送ってくれたりサテンに行ったりする仲だ



「だから、いくら馬鹿うるさくても
私にとっては憧れの人です。」

たどたどしい文脈ではあったが
理子さんに全てを話した。

すると理子さんはクスッと笑って
両手で頬杖をついた。

「今井くんが大好きなのね」

「いや、それは無いです。」

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