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ウォッチ・ドッグに跨ってカイロの屋根を駆け回る。
「こんな時でも人の手を借りんとまともに動けねーのは、ちと無能かね」
乱雑に巻き付けた額の布はまだ噴き出る血液を吸い込んで、重さを増している。頭部からの出血による緩和を図るアドレナリンの影響で妙に気分が良い。
「ははッ！」
犬歯が飛び出して、瞳孔が開く。ウォッチ・ドッグの瞳も細められて、狼のように遠吠えをした。あおーんと喉を細めてカイロに響き渡るそれの真似をして、Aも高笑った。翻るスカート、ちらつく白ストッキング、星を照り返す金髪、そして、魔力を持ったような深い深い青緑の瞳。しかしそこに足はなく、ストッキングも丁寧に欠損した足に合わせられたものだ。
義足があればまだいくらかましに見えるものを。だがしかし関係ない。私にはウォッチ・ドッグがいる。
「待ってろよDIO！」
ウィルソン・フィリップス上院議員の死体を一瞥して、DIOは上空に逃げた花京院とジョセフを追った。そうして見ると本当に猿のようだ、あの日ジョナサンにモンキーなんだよと罵ってから人間は、ジョースターは、猿同然にしか見えない。いや、そもそも自分以外の生き物を人間と思ったことはあっただろうか。
飛び上がり、二人を追いかけながら思い出されたのはやはり彼女のことだった。
なるほど、確かに彼女も人間ではない。だって彼女は大いなる母、神聖なる愛を司る神なのだから。そんな神をどうしようもなく愛しているのだから。特別になるのは当然のこと。
ああ、そうだ、自分は彼女をこの上なく愛してしまっている。救われたい、彼女に巣食ってほしい。
「ッ」
花京院のハイエロファント・グリーンの一片を踏んだ。エメラルド・スプラッシュが飛んでくる。それを飛び退けた先にも、またそれがあり、また緑の宝石が飛んでくる。なんと小賢しい。
「お前の幽波紋の正体を暴いてやる！来いDIO！半径20ｍ！！ハイエロファント・グリーンの結界だ！！」
勇ましい顔をした元捨て駒と、その隣に笑う老いぼれのジョースター。
「上等だ」
口角を上げれば、鋭い牙が覗いた。彼には十字架も効かないし、大蒜も効かない。唯一効果的なのは、ジョースターの匂いが染みついた女神様、なんてどうだろう。
「今日限りで星を全て潰してやる！！」
「まったくもう、まったくもう！」
巻き込んで申し訳ない。だが、お前の力を私に使わせてくれ。
「まったく！」
良いか、お前はただ生きていればいい。あとは私が勝手に使う。
「勝手な人！」
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☆夢腐女子☆(プロフ) - 苗字の欲張りセットは笑いましたw面白かったです！他の作品も頑張ってください！(*^^*) (2021年5月30日 7時) (
レス) id: a9ee6f3cf2 (このIDを非表示/違反報告)
3a - めっちゃ面白いです！！続きが気になります！頑張ってください！ (2021年5月16日 3時) (レス) id: 59e168782f (このIDを非表示/違反報告)
ソーサラー(プロフ) - 靜藍さん» ありがとうございます！頑張って完結させますね！！ (2021年1月2日 16時) (レス) id: 1368eb388d (このIDを非表示/違反報告)
靜藍(プロフ) - め、めちゃくちゃ面白いですｯｯｯ！！！前作？のディオの妹の話もそうですが、私のドタイプのお話でした！！(*>∇<*)続きとても楽しみに待ってます！！！ (2020年12月6日 19時) (レス) id: 114c5f5474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーサラー | 作成日時：2020年10月22日 23時
