蜂の君【トム・リドル】 (ページ6)

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才能ページ6

Aside

『……………。』

「それにしても驚いたよ。

バジリスクなんて言葉、

まさか、食堂で耳にするとは思わなかったからね。」

いや、うん。

話してたけどさぁ。

なんて思いながらトム・マールヴォロ・リドルの目をじっと見ていると

「A・バージル。

この僕と組もうじゃないか。

君も、”秘密の部屋”を探しているんだろう？」

とお誘いを受ける。

取り敢えずひたすら沈黙を貫いていると

たらたらと自身の思想を連ねだしたトム・マールヴォロ・リドル

マグル、選ばれし者、不死身等を語っている。

「君は随分と運が良い。

サラザール・スリザリンの継承者の

僕と手が組めるんだ。

君と僕で、不死身を手にしよう。」

何だか勝手に話を進められてる気がする。

そう察知し

『ごめん。自分、

授業サボろうとしてトイレに来ただけなんだよね。

そりゃあ、

今さっき此処のトイレの蛇口の蛇のマーク見て

この地下、秘密の部屋じゃね？

とかは思ったけどさぁ。

別に自分は秘密の部屋でしたい事なんて無いし。』

正直に告白すれば

彼の眼は赤黒くなり、

ローブの中にしまっていた彼の片腕がぴくりと動く。

『…お目当ての物は此方？』

「…………ｯ?!」

『攻撃手段があるって分かってたら

徹底的にその手段潰すしか無いでしょ？』

誰かさんの杖を見せながらそう言えば

シューシューと蛇語を話し始めたトム・リドル。

『…………防音魔法掛けてるから無駄だよ。』

マートルに聞かせない様掛けた魔法が役に立ったな。

流石はフェリックス・フェリシス。

それにしても、コイツ

バジリスクを呼び出して自分達を殺そうとしたのか。

つくづくやベェ奴だな。

そう思っていると

「……お前……何故だ……。杖も使って無いのに……。

答えろ！！！！！！！何故魔法を使えた！！！！」

と急に情緒不安定になったトム・リドル。

よく見れば何故か冷や汗もかいている。

何が逆鱗に触れたのか理解せずに

『何故って………魔法の才能があるからじゃない？』

と返した途端、

トム・リドルがバタリと倒れた。

「え？！ちょっとA！！

何でトム・リドルが此処に倒れてるのよ！！！」

『あ、マートル。やっとトイレから出てきた。

ほら、糖蜜パイ食べよ。

生クリームも付けてきたからさ。』

「今は糖蜜パイよりも保健室でしょ！！！」