幸福少女 (ページ3)

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マックスサーモンページ3

Aside

『この蛙は……確か俊敏性が上がる奴ですね。』

「貴重な情報をありがとうございます！！

そしたらこの植物とかはどうでしたか？！！」

只今、姫様にハイラル平原に生える植物の効能を説明している。

研究熱心な姫様のご期待に応えられるよう、

奥底にある記憶を引っ張り出して行く。

姫様の様々な質問に答えて行くも、

日の光が少し橙色になる事に気付く。

『姫様、もうお帰りのお時間です。』

そう告げれば、姫様の光輝いていた瞳が霞む。

『そう言えば明日、

姫様はリトの村に御用があるとか。』

「えぇ、それがどうかしましたか？」

『宜しければ、私もお供しても？

リトの村のマックスサーモンには目が無くて。』

そう提案をすれば

「…………本当ですか！！」

と顔を明るくした姫様、

お供する時間は長ければ長い程、

動植物について話す時間は沢山ある。

「ありがとうA！！

早く城に戻って準備しないとですね！！」

そう顔を綻ばせる姫様を見て、心の底から安堵した。

降り続ける雪の中、足をひたすら進めていく。

『あと30分程の距離ですね。』

リトの村特有の高い岩を見てそう言えば

「…………A、貴方やはり目が良いですね。」

『そうですかね。』

と返すもリンクや他の兵士を見る限り、

誰も岩に気付いて無かったらしい。

しかし特に気にする事では無いと判断し、

歩き進めて行けば、ようやくリトの村に着いた。

と思えば早速上空に何か居る。

雪で分かりにくいが何か居る事は確かである。

上空を眺める自分に気付いたリンクも上空を見た。

『一体、どう言ったおつもりで？』

「まさか、僕の矢を掴み取るとは思わなかったよ。」

『一体、どう言ったおつもりで？』

空から降りてきたリト族の男に再度そう聞けば

「試しただけだよ。

姫付きの騎士の実力が如何なものかってね。

それにしても、

姫付きの騎士が２人なんて随分過保護じゃないか。」

そう言う男に

『生憎私は魚の掴み取りが得意な侍女でして、

姫付きの騎士は只１人、このリンクだけです。』

返せば

「君、冗談が下手だね。

まぁ良いよ、僕に着いてきて。

村長の所まで案内するから。」

と言われた。

先につかつかと進んでいく男を見ながら

『姫様、マックスサーモンを買いに行っても？』

そう尋ねると姫様は少し静かに笑い、

「了解です。迷子にならない様気を付けて。」

と仰った。