幸福少女 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,393 hit

天気は快晴ページ2

Aside

天気は快晴、

小鳥が程好く囀り、柔らかい風が首もとを通る。

今日は洗濯日和だな。

そう思いながら姫様のお部屋に立ち入る。

『姫様、朝食のお時間になります。』

そうお声かけすれば目をゆっくりと見開いた姫様。

『おはようございます。』

「………おはようA。」

そう仰いながら目をゆっくりと閉じた姫様。

ここだけの話、姫様は随分と朝に弱い。

なので水で濡らしたタオルを姫様の頬に当てる。

「ヒャッッ？！？！」

『氷水に浸けていたタオルです。』

目を見開いた姫様はすぐさま状況を理解し、

「……Aのお陰で毎朝すぐに目が覚めます。」

と仰い起き上がり憂鬱そうな顔で着替えを始めた。

姫様を朝食の場へと送り届け、

受け渡された大量の洗濯物を干している。

風も程好く通っているし、すぐに乾きそうだ。

そう考えているとカシャカシャと鎧が擦れる音が聞こえる。

『リンク、おはよう。』

そう挨拶をすれば目を合わせてきたリンク。

剣を２本持つリンクを見て手合わせの時間かと気付く

『流石に此処だと、洗濯物が危ないから

場所を変えよう。』

と提案すれば

「分かった。」

との返事が来た。

リンクside

『去年に比べてマモノ、増えてきてるよね。』

『流石はリンク、反射神経が良い。』

『姫付きの騎士になったんだってね、おめでとう。』

何も言わずとも、

俺の目を見て全てを把握していくA。

初めて会った時は彼女の観察力に驚いたが、

今となってはそれがAの優しさと分かる。

『リンク、時間切れ。』

そう言い放ったAは俺の視界から消える。

どういう原理か一瞬にして俺の背後に立つA。

今日も負けた。

そう考えていると

『もう少ししたらリンクに負ける気がする。』

と言うA。

今度こそ、彼女に勝ちたい。

そう考えながら彼女から剣を回収し、

１人訓練場へと向かった。