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足元に見える人の塊が一斉に動き出す。今回、大先生指揮するS隊はシャオロンさん率いるSI隊の援護役だ。SI隊には身軽な人が多く、動きが早い。そのため、威嚇射撃する時でさえ細心の注意を払わなければいけない。とにかく射撃の精密さが必要とされる役回りだ。
一時離れてしまう仲間達に目線だけでエールを送る。隊の最後尾にいた補佐官が此方に気付き、一礼するのを横目で確認した後、私はコネシマさんのいるLI隊の方へと足を動かした。
さっきまでの開けた場所から少し奥まった所へ来ると、LI隊の人達を見つける。
「南東方向からの敵襲を確認ッ！数は大凡100程だと思われます！」
「なんや、第一陣としてはしょっぱい数やのぅ」
見張りをしていた一兵が告げると、コネシマさんはぼそりと呟いた。
…コネシマさん、怒ってる？
いつもなら戦闘前は、もう少しも待てないとばかりに目をギラギラさせているのに、今日は眉間に皺を寄せて怒っているように感じる。
「総隊員、戦闘準備ーッ！！」
背中の大剣を抜き、コネシマさんが一声上げれば、何処からともなく雄叫びが上がる。そして隊長を先頭にしてLI隊の影は前へ前へと進み出した。出遅れてしまった私は急いで銃を脇に抱え、コネシマさん達の後を追う。
「気のせいだったかな…」
後ろから付いて行っているためコネシマさんの顔を伺うことは出来ないけれど、剣を手にした彼からは先程より不機嫌なオーラは感じられない。
もしかしたら今回の作戦の事が知られてしまったかも、なんて心配するほどじゃなかったかもしれない。LI隊の後を追いながら、先週のエーミールさんとの会話を思い出す。
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『コネシマさんとツーマンセルを組むにあたって、条件があります。』
『条件…？』
『一つは、今回の戦争でのみ、S隊の指揮を鬱先生が執ること。』
『そして二つ目。この作戦の存在をコネシマさんに絶対に知られてはいけません。』
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「ん？今、後ろの崖に誰かおらへんかったか…？」
「っ！」
「LI隊の後ろには誰も配置されていないはずですが…」
「そうか、見間違いやったか」
いきなり此方を振り返ったコネシマさん。驚いた私は咄嗟に近くの茂みに身を隠す。
補佐官のフォローによってコネシマさんに気付かれることは無かったけれど、危機一髪だった。
「こんなの無茶だよ…」
ツーマンセルを組む相方に自身の存在を悟らせるな、という無理難題。今日までの一週間、隠し通して来たことを褒めてほしいくらいだ。
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marica(プロフ) - 雨神朔夜さん» 雨神朔夜さん初めまして。とても励みになるコメント、有難うございます！更新頑張ります！ (2018年7月24日 22時) (
レス) id: 77a5478ad4 (このIDを非表示/違反報告)
雨神朔夜(プロフ) - 時間を忘れて一気読みしてしまいました…！とっても面白かったです…！今後の更新も、陰ながら応援しております…！突然失礼しました！ (2018年7月17日 1時) (レス) id: 770040a5d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：marica | 作成日時：2018年7月16日 22時
