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「他に分からない所はある？」
「いえ、特には…」
「Aさん」
突如自分の名前を呼ぶ声がしたので、きょろきょろと辺りを見回して声の主を探す…が、見当たらない。首を捻っていると、ミルクティー色の頭が補佐官の後ろからひょこりと現れた。
「エミさん！びっくりした、そんな所にいたんですか」
悔しいことに、男である補佐官と女の私とでは結構な身長差がある。だから、こうやって正面に立ってしまうと私の視界はほぼゼロに等しいという事に初めて気づかされた。悔しいことに。
「すみませんね、お話の途中だったのに。Aさんに急ぎの連絡をしに来たものですから」
「いえ、隊長への確認はもう取れたのでお気になさらないで下さい。」
では私はこれで失礼します。と言い、補佐官は休憩しにこの場を立ち去って行く。その大きな後ろ姿に「私もあれくらい高くしてください。」と到底無理なお願いをしてみる。
「しっかりした人ですねぇ」
「とっても頼もしいです」
私と同様、補佐官の背中を見送るエーミールさんにそういえば連絡って何ですか？と問う。そうや本題を忘れるところでした、と思い出したように手をぽんと叩くエミさん。
「次の戦争の軍配置図は見ましたか？」
「今朝届いたやつですよね！一応目は通しました！」
「その事なんですが、個人的な配置の変更があったのでお伝えしに来ました」
「個人的？それって私一人だけってことですか？」
戦争は兵隊然り武器然り、数が多いほど有利になるとよく言われる。例外はあれど、我々国も戦地では基本的に各小隊ごとに固まって行動する。それ故、一個人だけの変更なんて滅多に無いことだ。
「はい、Aさんだけの特別任務です」
「えっ、特別任務！？嬉しい！！」
“特別任務”
異例の事態に不安なはずなのに、その言葉に響きに私の心は高揚する。
「…厳しい任務になると思いますよ」
「そんなのどんと来い、ですよ！」
「Aさんは頼もしいですねぇ」
「それで！どんな任務なんですか！！」
私が急かす度に表情を曇らせていくエーミールさん。
「私は反対なんですがね…Aさんに重責を負わせたくないですから。」
「ジューセキ？って、あの」
「しかし参謀長の作戦ですからね。
…いいですかAさん。これから伝える事をしっかりと覚えておいてください。」
「は、はいっ」
真剣な表情で目の前の彼は告げる。
「あなたには次の戦争で
コネシマさんとツーマンセルを組んで頂きます。」
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marica(プロフ) - 雨神朔夜さん» 雨神朔夜さん初めまして。とても励みになるコメント、有難うございます！更新頑張ります！ (2018年7月24日 22時) (
レス) id: 77a5478ad4 (このIDを非表示/違反報告)
雨神朔夜(プロフ) - 時間を忘れて一気読みしてしまいました…！とっても面白かったです…！今後の更新も、陰ながら応援しております…！突然失礼しました！ (2018年7月17日 1時) (レス) id: 770040a5d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：marica | 作成日時：2018年7月16日 22時
