不器用なりの愛情表現【黒尾鉄朗】 (ページ4)

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「…俺だってすぐ出来ると思ってたけどさ…」

「……黒尾さん、恋愛に関しては本当に不器用なんですね。」

「本当に君は容赦ねぇな、赤葦さんよ」

…実際親にも相手はいないのかと心配されている。
なんならそろそろお見合いとかもしてみる？とか見合い話も出されそうな感じだが、俺としては見合いとかよりは俺自身が相手を選びたい訳で

「…まぁでも、黒尾さんなら突然出会いが降りてくるかもしれませんよ。…普通にモテるとは思ってるので。」

「そーいう赤葦の方がモテるだろーが。
まぁ、最悪見つからなかったらお見合い受け入れるかねぇ…」

そう言えば目の前の赤葦は木兎さんにでも紹介してもらって下さいと言って他人事のように流された。

(…結婚…ねぇ。)

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「…すまんね、俺の後輩が。」

「いえ、新井とは近くなので俺が送っときます。」

あれからしばらく飲み続け、新井は飲みすぎたのか現在は赤葦に肩を借りている状態で爆睡している。…酒あまり強くないはずなのにどうやら彼女の話が盛り上がりすぎて寝ている。

「んじゃー、俺は黒尾と帰るわ、赤葦またな！」

「お疲れ様です、木兎さん、黒尾さん。」

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「…なるほどなー、黒尾も真面目だなぁ」

「お前の方が真面目すぎじゃねぇんだよ。」

「そうなのか？んーでも俺は別に結婚したいとか思わねぇし、今はバレー楽しいから良いかなって！」

帰り道を2人で歩きながら木兎に先程の赤葦と話していたことを打ち明けた。

「…俺は黒尾なら大丈夫だと思ってる！」

突然木兎が立ち止まって俺の方を向いて言う。
初めてそんなこと言われたものだから少し驚いたがなんで？と俺は聞き返す。

「本当に困ってたら多分お前もっと焦るだろうし、お前のいい所は俺知ってるしだから大丈夫！」

「……お前はいつ見ても前向きだな。」

「それに、運命っていうの？お前昔言ってたじゃん、自分が好きな人ってのは運命だって感じるんだって、」

「俺そんなこと言った覚えねぇけど、…まぁでも、そうかもな。」

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そして、そんな俺の“運命の出会い”は突然訪れた。