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「…それってどういう意味？」
「そのまんまの意味しかないだろーが。
…チビ達見てたらAはほんと好かれてるんだなぁって。」
俺はそんな奴にはなれないからさ。と隣のつとむに言われるとわしゃわしゃと頭を撫でられた。そして、
「お前はまぁ確かにドジな奴には間違いねぇけど。」
「…それって慰めでもなんでもないよね。」
「仕方ねぇだろ、ホントの事だし。
今日だってお前顔面でボール受けてただろうが…。」
普通そんなやつ居ねぇよ。と言われぎくっとなる。そうだ…レシーブ練習してたのに咄嗟に顔面で受けてしまったのだ、手で普通に間に合うのにいざとなるとバタバタしてしまって身体で受けてやれと勢いよく行ったら顔面で受けてしまったのだ…つとむや新井くんには顔面レシーブと呼ばれ結構馬鹿にされてとても恥ずかしかった。
掘り返さないでよと怒ろうとしたらけど、とつとむが言葉を遮る。そして、
「…そうやって何でも全力で頑張れるお前のことは俺は好きだけどな。」
そう言うつとむの頬は少し赤いような気がしたけどつとむに真剣に褒められたのは初めてで嬉しかった。
「…つとむ意外と優しいんだね。」
「なっ！……お前俺をなんだと思って…あー、もう！」
やっぱりさっきのは忘れろ！と言って先に行ってしまった。…何が言いたかったのだろうとちょっと疑問に思ったけど久々に誰かから褒められたのが嬉しくて少しだけ口元が緩んだ。
それを園児の子が見ていたらしくてせんせーはつとむせんせーのこと好きなの？なんて聞かれて思わずえっ！と声を上げてしまった。
「そ、そんな事ないよ、つとむはお友達。」
「でもせんせー、つとむせんせーと楽しそうだったよ。」
「…まぁそれは…そうかも…だけど…。
ほら、とりあえずお昼ご飯食べるから早く帰ろうね」
さぁさぁと園児たちを急かせばやっとの思いで保育園に戻ってきた。戻ってくると走くんはもう来ていたみたいだった。
「…あれ、Aなんか今日機嫌良さげ？」
「え、そう見える？」
「うん、なんかいい事あったのかなぁって。
もしかして、黒尾さんとなにか進展があった？」
走くんに尋ねられてハッと思い出した。
そうだ、黒尾さんにお誘いを受けていたのだ…しかも、適当に返事してしまった。
「…実は走くん、ちょっと聞いて欲しいんだけど」
「え、…俺に？…別に良いけど…。」
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作者名：綾瀬 | 作成日時：2020年8月22日 3時
