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「…てかなんでお前らいんだよ。」
「いやーさ、元々はあかーしと久々に飲み行かねって話はしてたんだけどそしたら丁度お前ら見かけたからどうせならーって！」
新井は赤葦の大学時代のバレー部の後輩らしい。そして、木兎はその大学時代のバレーの試合の時に赤葦の紹介を通して出会ったらしい。
…てか俺の後輩はどこまで人脈が広いんだ…。
「……ところで黒尾さん、あれから彼女出来ました？」
「ｺﾞﾎｯ……なんの事かな、赤葦さん。」
唐突に赤葦が話を変えると思いきや俺は思わず飲んでいたビールを吹き出しそうになる。…いや今ここで聞くことなのかと思ったが。
「…え、まさかお前まだ居ねぇのかよ、黒尾。」
「……おっしゃる通りです。」
…そう、俺、黒尾鉄朗の最近の悩みは彼女がここ4年出来ていない事である。正直俺自身も悩んでるがそれ以上に周りから心配されている。
「…え、お前まさか4年も彼女居ねぇのかよ。」
「まじすか、黒尾さん。
けど、先輩たまに女性から声掛けられてません？」
「……誘われたことはあるけど断ってる」
「何でだよ！そこは行けよー黒尾」
そう言って俺はまた誤魔化すようにビールを飲む。…確かに女性からご飯とか誘われたこともあるし、お付き合いも申し込まれたことはあった。
…けども仕事が忙しくてそれを考える余裕もねぇからって断ってしまうことが殆どだった。
「そういうお前らはどーなんだよ。」
「俺はバレーがあるから今はいいかなぁって！」
「…木兎さんらしいですね。…新井は？」
「俺すか？俺は今も順調っすよ！今年で3年目なんですよ、そろそろ落ち着いたら俺もプロポーズしたいなぁ…って」
そう言えば新井が幸せそうに自分の彼女の話をし始める。木兎は興味津々で聞いてる訳だが、この目の前の赤葦は出会いとかないんすかと更に質問を投げかけてきた。
…かと言ってお前こそと偉そうに言える訳でもないし、こいつの今働いてる所は俺以上に多忙を極めてるみたいだからそんなことも言えないというか。
「…昔から異性の気持ちてか異性を好きになるってのがわからねぇんだよな…俺。」
「…まぁ確かに高校時代の黒尾さんはバレー馬鹿、でしたもんね。」
「…それは褒め言葉なのかい、赤葦くん。」
「褒めては無いですね…まぁけど俺なら黒尾さんならすぐ出来ると思ってたので。」
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作者名：綾瀬 | 作成日時：2020年8月22日 3時
