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(……はぁぁ…。)
ついドジをかまして今思えば走くんに連絡先教えてと頼まなければ変な事知らずに済んだかもしれない。
結局あんな反応したら走くんにも「もしかして黒尾さんのこと気になるの？」なんて聞かれたし、次会う時どうしたらいいのか。正直まだ異性としてそういう目で見てる訳では無い…けど、
(…良いと思ったのは嘘じゃないけどね…。)
そんな考え事をしながら帰り道を歩いていると目の前に電柱があったことに気づかずにガンッとぶつかってしまった。
「……いったぁ…全然前見てなかったし…。」
鼻は折れてなさそうだし、とりあえず今日の自分はちょっとおかしい。多分これは忘れた方がいいだろうと思って帰りに酒でも買おうと鼻を押さえながら歩いているとAちゃんと声をかけられた、
「わ、…く、黒尾さん…？どうしてここに…」
「いや、たまたま俺も仕事帰りでさ…Aちゃん途中まで一緒に帰らね？」
俺もこっちだしと言われて驚く。今まで見かけたこと無かったけどたまたま帰る時間が同じではなかったからなのか…
最近居残りで仕事してることが多くて、夜遅くに帰ることが多いけど黒尾さんは毎日こんな時間に帰ってるのかなと思った。
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「…Aちゃん昔バレーやってた？」
「バレー自体は経験ないんですけど…高校の時マネージャーしてたぐらいですかね…。」
「んじゃあなんでマネージャーやろうと思ったの？」
帰り道を歩きながら黒尾さんに聞かれる。
マネージャーを始めた理由はたまたま同じクラスだった勇太郎と仲良くなった時に誘われたってのは1つの理由である。
「…幼馴染のバレーしてる所見てみたかったので…。けど高校違うので試合見に行くことがなかなか出来なくて、だからうちと試合で当たれば見れるかなって」
そう話せばAちゃん優しいんだなと褒められて少し胸がドキッとした。…見れたのは結局数試合でうちは勝てなかったけどそれでも彼が活躍してるの見れて嬉しかったのは覚えてる。
「…あ、ありがとう…ございます…。
けど…黒尾さんも優しい方だと思いますよ…？」
「………ほんとに？」
「うちの園児たちも皆さんのこと気に入ってて、特に黒尾さんはよく話してくれたりするので…」
きっと心から優しい方なんだなって思います。と言えば何も反応がなかったから振り向くと真っ赤な顔をした黒尾さんがいた
黒 (……さらっと嬉しいこと言ってくれるよな…。)
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作者名：綾瀬 | 作成日時：2020年8月22日 3時
