33時間 ページ7
リンクに残っているのは勇利のみ。
リンクサイドでヴィクトルと勇利は何かを話しているが客席には聞こえない。
ヴィクトルは勇利の手を握ると、指輪に口づけた。
ーどうか、勇利が楽しめる演技ができますように。
私と勇利には距離がありすぎる。私の気持ちを伝える術はない。もはや神頼みだ。普段神様なんて意識しないから、こんな都合のいい頼みごとは聞いてくれないかもしれない。それでも、願わずにはいられなかった。
リンクの中心に勇利が立ち、ポーズを決める。
愛について エロス
勇利の表情はどこか硬かった。しかし、ステップから始まるそれは見事だった。今までで1番と言い切ってもいい。ジャンプの構成を変えてきたと言っていたが、その事によって起こる迷いや不安は見られない。
見られない、だが。
なぜかこんなにも、私が、緊張している。
がんばれ、頑張れ。心でそう唱え続けた。
そして最後のジャンプ。
一瞬だが、手がついた。
呼吸が止まったような気がした。途端に、ドクドクと激しく心臓が脈打つのがわかった。
演技が終わると、勇利はその場に座り込んでしまった。
ああ、やっぱり神様なんていないのかもしれない。
ーーーー
勇利視点
演技が終わると反省点が頭をぐるぐると巡る。しかしその余韻に浸る間も無くインタビューをするために報道陣の前に出る。
いつものように、なるべく端的に答えていく。テンプレが出来かけているこの受け答えは必要性をあまり感じないけれど、仕方ない。心ここに在らず。そんな状態だった。
そこで、いつもインタビューに茶々入れてくるコーチがいない事に気がついた。気がついてしまえば完全に意識はそっちにいってしまう。長引かないようにインタビューを終わらせ、ヴィクトルを捜す。
ヴィクトルは観客席にいた。
リンクを見下ろす彼はどこかキラキラした目をしている。
「勇利。インタビュー終わったの？」
「あ、うん」
「次、クリスだよ。Aのところに行って一緒に見よう」
「うん」
Aと大和さんは一緒に座っていた。少し距離があったけどそれに大和さんが先に気づき、Aに声をかけていた。大和さんに教えられたAは僕たちに気づくと、立ち上がってこっちに走ってきた。
「A…えっ、ちょ！止まって？！」
スピードを緩めることなく僕に向かって走ってくるものだから少し後ずさりするが、そんな距離をものともせずにAは僕に抱きついてきた。
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みのりん - めっちゃ感動したし胸キュンも止まりませんでした(*´Д｀*)素敵な作品を有難うございました！ (2018年2月24日 0時) (
レス) id: d4ae6c081b (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - http://nanos.jp/messenger29/閲覧出来ませんでした。サイト名載せていただけると助かります！ (2017年7月29日 22時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)
佳歩(プロフ) - http://nanos.jp/messenger29/で調べたのですが閲覧できませんと出てしまい他の調べ方などないですか？ (2017年7月29日 19時) (レス) id: c55f7a31e6 (このIDを非表示/違反報告)
柚子 - 宇佐木さん» 残念ですが、見つかりませんでした…。 (2017年2月24日 6時) (レス) id: 2ff9f67844 (このIDを非表示/違反報告)
宇佐木(プロフ) - 柚子さん» 「ずっと待ってる。番外編」としています。私も対応できるよう努めますので、いつまでも見つからない場合はご面倒だとは思いますがまたご連絡ください。よろしくお願いしますm(_ _)m (2017年2月23日 7時) (レス) id: 871fe467c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宇佐木 | 作成日時：2017年1月10日 21時
