31時間30分 ページ3
勇利視点
Aからキスされた。嫉妬しているという表情を隠さずにいた僕を見て、宥めるようにされた。
そこには僕だけじゃなくてヴィクトルやクリス、そして女の人がいて普通に恥ずかしかった。
そんな僕を置いてAはヴィクトルを風呂に入れるため部屋に戻って行った。
「あ、そういえば初めまして。大和千紗です」
「…あ!あなたが大和さん。よろしく、勝生勇利です」
以前僕が名前だけで男性判断したせいでAを傷つけてしまったことがある。電話越しに話したことはあったけど、会うのは初めてだ。
「チサ、コーヒー飲みたい」
「飲めばいいじゃん」
「チサ淹れてよ。僕も部屋でシャワー浴びたい」
「えー。しょうがないな。勝生くん、また今度話そうね」
「うん。おやすみ、大和さん、クリス」
部屋を出る2人とすれ違いにAが入ってきた。
「いい子にしてた?」
ベッドに腰掛ける僕の横に並んで座るA。キスする際に言っていた言葉。まるで子ども扱いされているみたいで少し腹が立った。
「全然、いい子なんかじゃないよ」
「あっ、」
後ろは柔らかいベッドなので、勢いよく押し倒してもスプリングが衝撃を吸収する。Aの両手を掴んで、ベッドに縫い付けるように押さえつける。
「僕、悪い子だから」
「なに、んっ、…ふ、ぁ」
「はぁっ、ねぇA…こんな僕は、嫌い?」
「っ、んん!…っ、あ、すき、だよ」
「ん、僕も好きだよ」
喋ろうとしてしている間も舌を絡める。そんな中、なんとか言葉を紡ぐAが愛しくて仕方がなかった。
「A、」
「あっ!ん、ちょっと、だめ!こんな、試合前に…」
Aの脇腹をなぞると、その手を掴まれた。
触りたいのに、と思っていると部屋のチャイム、そしてけたたましいノックが鳴り響いた。
「ゆーぅり!!ドアを開けてー!!」
ヴィクトルが風呂から上がったようだ。
憧れの人でも、この時だけは思わず舌打ちをしてしまった。それを「こら」と怒るA。
「聞こえてるよヴィクトル!」
鍵を開けるため、渋々とAの上から退く。
ドアに向かおうとしたら、腹部に細い腕が回ってきた。
「ぜ、全部終わったら、いいから」
そういって、腕を解いてさっさとドアの方へ行ってしまった。
「A!いいお湯だったよ!入浴剤もとってもいい香りだった。あ、これ鍵」
「気に入ったなら今度あげるよ。じゃ、おやすみ」
「おやすみ〜。…勇利?どうした?」
もしかして僕、Aにすごいこと言わせた?
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みのりん - めっちゃ感動したし胸キュンも止まりませんでした(*´Д`*)素敵な作品を有難うございました! (2018年2月24日 0時) (レス) id: d4ae6c081b (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - http://nanos.jp/messenger29/閲覧出来ませんでした。サイト名載せていただけると助かります! (2017年7月29日 22時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)
佳歩(プロフ) - http://nanos.jp/messenger29/で調べたのですが閲覧できませんと出てしまい他の調べ方などないですか? (2017年7月29日 19時) (レス) id: c55f7a31e6 (このIDを非表示/違反報告)
柚子 - 宇佐木さん» 残念ですが、見つかりませんでした…。 (2017年2月24日 6時) (レス) id: 2ff9f67844 (このIDを非表示/違反報告)
宇佐木(プロフ) - 柚子さん» 「ずっと待ってる。番外編」としています。私も対応できるよう努めますので、いつまでも見つからない場合はご面倒だとは思いますがまたご連絡ください。よろしくお願いしますm(_ _)m (2017年2月23日 7時) (レス) id: 871fe467c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宇佐木 | 作成日時:2017年1月10日 21時