36時間 ページ17
翌日、ネットでは勇利がプロポーズしたことが話題となっていた。
勇利をよく知らない人は勇利のことを奥手で控えめ、草食系男子だと思っている人が多い。しかし私は言いたい。勇利は奥手でもないし全然控えない、さらには肉が大好きな肉食系男子である。
プロポーズしている所も、報道陣からそんなに離れて言われたわけではない。
なので映像もバッチリ残っているし、なんなら声まで入っている。
報道陣に向かって嫁宣言をしてからのプロポーズとよくわからない順番だったが、まぁそれは良しとしよう。
「A、準備できた?」
「あ、ちょっと待って」
今日はバンケットの日だ。
大和はクリスにエスコートされて先に行ってしまった。
大和はスカートは嫌いだといってパンツスーツで出ていった。クリスはそれにお腹を抱えて笑っていた。
私はネイビーのパーティードレスにレース生地のボレロ、そしてパールのネックレスとイヤリング、髪型は軽く撒いてアップにした。
廊下で待ってもらうのも申し訳なくて、とりあえず部屋に入ってもらう。
「あれ、ヴィクトルは?」
「………」
「…勇利?」
「えっ、あ!ご、ごめん。なんか…」
すると、驚くことに。勇利の頬を涙が一筋伝った。
「ええ?!ちょ、どした?!」
「いや、なんか…Aが、綺麗すぎてびっくりした」
頰に熱が集まるのがわかった。
恋愛経験ゼロだった男は、女がどんな言葉で喜ぶのかも知らないのだろうか。
私は勇利を抱き締めた。
「ありがと。うれしいよ。…勇利もかっこいいよ。ネクタイもいい感じ」
「ああ、前のやつは…ヴィクトルに燃やされちゃって」
「本当に燃やされたんだ」
「会見から帰って来たら即焼却炉行きだったよ」
2人でクスクスと笑う。
勇利は少しぎこちない動きで私の顎をあげる。絡まる視線が恥ずかしい。
「キスしたい」
「…どーぞ」
ん、と唇を向けると勇利はトン、と軽く押し付けるように口を当ててきた。
それから角度を変え唇を少し開く。ぬるりと舌が入って来て、それがくすぐったくて体を捩る。
「ん、はぁ…そろそろ、行かないと…」
「そうだね」
「あ、ごめん。口紅ついてる」
化粧が終わってからのキスだったので、勇利の唇は少し紅く染まっていた。
あ、これは、ものすごくエロスだ。
サッと携帯を構えたところで、勇利は私に気づかず「え、ついてる?」と言って唇をペロリと舐めた。
ーパシャ
「え?」
「日常的エロスゲット」
「ちょ、消して?!」
「いやだ」
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みのりん - めっちゃ感動したし胸キュンも止まりませんでした(*´Д`*)素敵な作品を有難うございました! (2018年2月24日 0時) (レス) id: d4ae6c081b (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - http://nanos.jp/messenger29/閲覧出来ませんでした。サイト名載せていただけると助かります! (2017年7月29日 22時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)
佳歩(プロフ) - http://nanos.jp/messenger29/で調べたのですが閲覧できませんと出てしまい他の調べ方などないですか? (2017年7月29日 19時) (レス) id: c55f7a31e6 (このIDを非表示/違反報告)
柚子 - 宇佐木さん» 残念ですが、見つかりませんでした…。 (2017年2月24日 6時) (レス) id: 2ff9f67844 (このIDを非表示/違反報告)
宇佐木(プロフ) - 柚子さん» 「ずっと待ってる。番外編」としています。私も対応できるよう努めますので、いつまでも見つからない場合はご面倒だとは思いますがまたご連絡ください。よろしくお願いしますm(_ _)m (2017年2月23日 7時) (レス) id: 871fe467c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宇佐木 | 作成日時:2017年1月10日 21時