盗賊さんと私2 (ページ8)

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盗賊.57 ページ8

『お待たせ』

笑いながら隣に並ぶ。

「時間通りだな」

『楽しみにしてたからね』

二人はオークション会場にいたのだった。
Aの手を取り、階段を降りていく。

「意外だな、お前がゲームに興味を示すとは」

『話を聞いてたら欲(・)しくなっちゃった』

「そうか」

その言葉にクロロは顎に手を当てニヤッと笑う。
そんな話をしながら階段を下っていると、反対側通路を見知った顔ぶれ達が駆け上がっていくのが見えたのだった。

『ちょっと寄り道しよっか』

・

「ヘイ、つれねーな。逃げるこたねーだろ」

フィンクスに先回りされ、囲まれた二人は身構える。

      「安心するね、別におまえたち殺る気ないよ」

        「今となったら鎖野郎を殺るわけにもいかなくなったしな」       

        腑に落ちない点があったゴンは首を傾げる。

「それってどういう__________！」

レース模様のストールが揺れる。
そして2人を包み込んだのだった。

『いじめちゃダメだよ？』

その声に二人は目を見開く。

「は、姉貴ッ！？」

『ふふっ二人ともスーツ似合うね』

困惑する二人をAはニコニコしながら抱き締める。
ふわふわした髪は少しくすぐったかった。

『で、何してるの？』

鋭い視線が刺さる。

「お前が思うようなことはしてねーよ」

「フィンの言う通りね。まだ(・・)してないよ」

「おい、何言って________！」

心無き独裁者(クレイジーハッカー)

『丁度試してみたかったんだよ、コレ』

刹那、Aの手に鎖が出現する。

「いいね、私もお前殺したかたよ」

フェイタンとAは静かに見つめ合う。
一触即発といった空気にゴン達は汗を伝わせる。

『いたっ』

突然誰かに頭を小突かれたのだった。
振り向いてみるとそこにはクロロがいた。

「いつまで油を売っている、そろそろ始まるぞ」

『私もよりも楽しみにしてるじゃん、いたっ』

「早く行くぞ」

Aは引きずられていった。
フィンは咳払いをする。      

「見た通り、あいつがいる限り手出し出来ねえ」

「本当に生意気な女よ」

「ま、オレ達は純粋に競売を楽しみに来ただけだ 」

  

オークションが始まる。

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