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心無き独裁者
「！」
刹那、中指の鎖が消えたのだった。
クラピカは目を見開き、顔を上げる。
『いいね、気に入ったよ』
消えた鎖はAの指に出現したのだった。
Aは鎖を見ながら口角を上げる。
「お前__________ッ！」
『だーめ、まだ話してる
大丈夫、単純で簡単 な提案だから』
クラピカの口を塞ぎ、言葉を続ける。
もう蜘蛛を追うようなことはしない
底の見えない瞳に体が凍りつく。
『賢いアナタならこれが口約束ではないことぐらいわかるよね』
「……！、何故それを……」
対象を闇に取り込むことでAはその人物の能力や詳細を知ることが出来るのだが、クラピカはそれを知る由もなかった。
悪魔は瞳を歪める。
『クラピカ』
静かに彼の名を呼ぶ。
『ほら、約束を交わそうか』
これは約束なんてものではない、命令だ。
盗賊.54 ページ5
『大丈夫？』
「問題ない」
車が横転し炎上している。
二人はそれを気にする事なくある人物を見据えていた。
『もっと遊ぶ？』
「くっ………！」
Aの猛威にクラピカは痛手を負ったようだ。
回復しようにも目の前の二人に隙がなく、出来ずにいた。
「ここで貴様らを逃す訳にはいかない……！！」
『強気なのは嫌いじゃない。でも、もっと周りを見ないと』
ある方向を指差す。
「なっ……！」
『ほら、死んじゃうよ』
Aが指を鳴らすと、センリツとレオリオを囲うように闇が展開されたのだった。二人は頭から血を流し、気を失っているようだ。
クラピカは顔色を一変させる。
「待て！殺すのは私だけで十分なはずだっ！」
『協力者を生かすのは難しいなあ
私の雇い主は彼だからね』
クロロに腕を回し、ニコッと笑う。
計画だけでなく仲間を人質に取られたクラピカの頭は真っ白になる。
「………お願いだ、やめてくれ」
頭を抱え、膝から崩れ落ちたのだった。
『あははっ』
ヒール音が近付いてくる。
『可哀想な貴方に一つ提案してあげる』
そして頭に手を乗せられたのだった。
それは鉛のように重く、冷たかった。
「提案………だと」
『うん、まずは対価を払って貰うね』
「！」
刹那、中指の鎖が消えたのだった。
クラピカは目を見開き、顔を上げる。
『いいね、気に入ったよ』
消えた鎖はAの指に出現したのだった。
Aは鎖を見ながら口角を上げる。
「お前__________ッ！」
『だーめ、まだ話してる
大丈夫、単純で
クラピカの口を塞ぎ、言葉を続ける。
底の見えない瞳に体が凍りつく。
『賢いアナタならこれが口約束ではないことぐらいわかるよね』
「……！、何故それを……」
対象を闇に取り込むことでAはその人物の能力や詳細を知ることが出来るのだが、クラピカはそれを知る由もなかった。
悪魔は瞳を歪める。
『クラピカ』
静かに彼の名を呼ぶ。
『ほら、約束を交わそうか』
これは約束なんてものではない、命令だ。
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作者名：ゆき | 作成日時：2024年3月22日 12時
