盗賊.52 ページ3
ホテル内に怒号が響き渡る。
「てめぇ、今何時だと思ってるんだ！！」
見てみるとそこにはレオリオがいたのだった。
団員達の恐ろしさを知りながらも、あたかも知らないかのように振る舞い続ける彼の度胸にAは感心する。
「消します？」
「ほっとけ、目を合わすな」
クロロはシズクの提案を却下する。
「お前もだ」
頭を掴まれ、反対方向に向かせられる。
幸か不幸か完全に変人扱いされていた。
「………………」
するとキルア達と目を合ったのだった。
不安そうにする二人にニコッと笑う。
何を考えてんだ、姉貴は。
『ようやく来たね』
暫くするとパク達がホテルに到着したのだった。
「なんだオメーら。また捕まったのかよ！？」
2人を見てノブナガは歓喜する。
対する二人は「げっ」と嫌な顔をする。
「ははん、わかったぜ。お前ら結局気が変わって入団したくなったんだろ？」
「あんた達に掛けられてた賞金が取り消しになったこと、知らなかっただけだよ」
キルアは素っ気ない態度をとる。
「お前らなんか顔も見たくないんだからな」
そして目を瞑りそっぽを向いたのだった。
ゴンもキルアに乗じて目を瞑る。
『(相変わらず機転の効く子だなあ)』
腕を組み、壁に寄り掛かる。
そんなAを横目にしながらクロロは口を開く。
「パク、もう一度こいつら調べろ。」
「OK、何を聞く？」
「それとこいつとの関係もだ」
『疑い深いなあ』
ラジオが響く。
19時まで残り1分だ。
「ムダだね！オレ達は何も隠してないし何も知らない
仮に何か知ってても________」
「やればわかること、黙りなさい」
キルアとゴンはパクに頬を掴まれ、持ち上げられる。
二人との会話で確実に時間を刻んでいく。
『あははっ』
Aは口元に手を当て笑う。
そんな彼女にクロロは「何が面白い」と問う。
『今にわかるよ。ほら、お楽しみの時間だ』
「お前__________」
「！！」
ラジオが時刻を告げた瞬間、電気が消えたのだった。
そして乱闘が巻き起こる。
「……………団長とAがいない」
明かりがついた時には二人の姿を消していた。
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作者名：ゆき | 作成日時：2024年3月22日 12時
