盗賊.51 ページ2
「２時の方向へ時速40�卍�で移動中。車に乗ったな」
方角を指差しながら言う。
このまま示される方向へといけば彼等は真実に辿り着けるだろう。
「A」
尾けられてる
クロロの言葉ににこーっと笑う。
「初めから気付いていたな」
尾けられてることにマチ達は気付いておらず驚いたような表情をする。一方ノブナガは警戒を強め、鞘から刀を取り出していた。
「ノブナガ、パクノダ、コルトピ前を追え」
「了解」
パク達は指示に従い、車を追う。
そして残った者達は振り返り戦闘態勢になったのだった。
「見えたか？」
「影だけ姿までは。路地に一人」
「ゴミ箱の後ろに一人。アンタは？」
『同意見かなあ』
雨で濡れた髪を背後に流し、笑う。
「ごめんなさい！もう追いかけないから許してください！」
ゴンか両手を上げ出てくる。
「もう1人いるだろ、出てきな」
そしてクラピカに変わりキルアが出てきたのだった。
刹那クロロはAの頬を掴み、顔を近付ける。
「！」
二人の距離感にキルアはギョッとする。
「他人の空似とは思えないな。お前の血族か？」
『アナタの目にはどう映って見えるの？』
「……まあいい。パクと合流すればわかることだ」
マチは念糸で二人を拘束する。
相変わらずAからは何の情報を得られなかった。
『その子達はどうするの？』
「関係がわかるまで生かしておく」
『だってさ、運が良いね』
Aが他人事のように笑うとゴンが「一つ聞きたいことがあるんだけど」と声を上げたのだった。
ゴンの視線の先にはクロロがいた。
「何故自分達と関わりのない人間を殺せるの？」
雷が轟く。
「白旗を上げたわりに敵意満々と言った顔だな」
顎に手を当て、深く考え込む。
「改めて聞かれると答えがたいモノだな
動機の言語かか……余り好きじゃないしな
お前はどうだ？」
『楽しいからじゃない？関係の有無に関わらずにね』
「お前らしい答えだ」
この質問に正解がないことを私達は知っている。
「このままホテルまで行きフィンクス達を待つ」
でも正解があったとするならば。
「逃げようとしたら殺していい」
それは私達にとって不正解なモノになるだろう。
私達が悪役である限り。
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作者名：ゆき | 作成日時：2024年3月22日 12時
