悪役.35 ページ36
『えっと、次は轟のところか』
予定表を見ながら呟く。
ホークスの所での職場体験は終わり、轟の家へと向かっていたのだった。
移動時間を使いレポートを仕上げていく。
『んーなんて書けば………』
メモした事を確認しながら考えていると突然新幹線が大きく揺れたのだった。
Aは反射的に立ち上がる。
『……………脳無！』
そこには新幹線の壁を壊し、入ってくる脳無の姿があったのだった。その事で敵連合が動き出したのだとAは察知する。
心が騒めいていた。
『あれ、グラントリノ！デク！』
「爆弾魔！」
そこにはグラントリノと緑谷がいたのだった。
グラントリノはAに指示を出す。
「ワシがこいつの動きを止める。だからおまえさんは全力で個性を使ってくれ」
『わかりました！巻き込まれないようにしてくださいね』
「そこまで鈍っておらんよ、小娘」
そんな冗談を交わしながらグラントリノが動きを止めている脳無に触れ、自傷しないギリギリの威力で爆弾化させたのだった。
「流石だ、爆弾魔」
脳無は吹き飛び、散り散りとなり再生する事はなく一息をついていると緑谷が新幹線から飛び降りたのだった。
「あ、これ！どこいく！」
『緑谷！？』
「あの馬鹿に着いとってくれ！ここは任せろ」
焦ったように何処かへと駆けていく緑谷に続きAも新幹線から飛び降りる。
そして地を蹴り、建物を横断する。
『こら、個性使っちゃだめでしょ』
「飯田くんが………危ないかもしれません」
『飯田が？どうして________、』
そこまで言いかけてAはハッとする。
そして新幹線で見かけた案内板を思い出したのだった。
そこは飯田の兄が
『！』
叫び声が聞こえてきたのだった。
急いで駆け付けるとそこには羽の生えた脳無と巨体の脳無がいたのだった。
もう既に複数のヒーロー達が脳無にやられている状況だ。
「なんでこんな時に限ってどっか行っちゃうんだ！天哉君！」
飯田の職場体験先のヒーローもいる。
その言葉で最悪な状況が続いている事がわかった。
『私に任せてください。悪役ヒーロー・爆弾魔に』
時間は有限、そんな言葉を思い出した。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月13日 23時
