悪役.26 ページ27
『緑谷、やっほ』
職場体験に向かう途中の緑谷に軽く手を振る。
すると緑谷は目を見開き「A先生！？」と声をあげたのだった。
『外では
Aは頭の上にゴーグルを上げながら笑う。
「あ、はい！爆弾魔は何故ここに……？」
『レポート書く為に対象生徒の職場先に行かないと行けなくてね。最初は緑谷ってこと』
そんな事を話しながら緑谷の職場先に向かう。
『着いたね』
そしてその扉を開いたのだった。
「雄英高校から来た緑谷出久です
宜しくお願いし………うわぁあああ！死んでる！！」
扉の中には血塗れになったグラントリノがいたのだった。
「生きとる！」
「生きてる！！ほっ」
どうやら食べ物を床にばら撒いてしまったみたいだ。
グラントリノは立ち上がり、首をかしげる。
「誰だ君は？」
「雄英から来た緑谷出久です！」
「なんて？」
グラントリノは緑谷に何度も名前を聞き返す。
それに見兼ねたAは『久しぶりです、爆弾魔です』と言うと目つきが変わったのだった。
「………変わらんな、おまえさんは」
そして「打ってきなさいよ、ワンホォーオール」と緑谷に言い放ったのだった。
「どの程度扱えるのか知っておきたい」
『緑谷、やってみ。この人に通用するのか』
「いや、おまえさんからこい。爆弾魔」
グラントリノは跳び上がり、壁を複数回蹴っては不規則に動き回ってはAの顔面目掛け拳を振り下ろしたのだった。Aは一瞬反応に遅れるも何とか回避し、姿勢を猫のように低くする。
『緑谷、コスチューム着なよ。時間は稼ぐから』
Aは好戦的に笑う。
「最近テレビでよく見るが成長したか、元受精卵」
不規則に飛び跳ねるグラントリノを見切ったかのようにAはそれを最小限の動きで避ける。
そして拳を軽く握った。
『だいぶ社会とやらに揉まれましたよ、グラントリノ』
そして腰を捻り、カウンターを決めたのだった。
そんな手慣れた動きに緑谷は目を見開く。
『やっぱり防ぎますよね、残念』
「そこまで落ちぼれてはおらんぞ、A！」
グラントリノは腕をクロスさせ防御態勢をとり、Aの拳を受け止めていたのだった。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月13日 23時
