悪役.25 ページ26
「あ、Aちゃん」
廊下を歩いているとねじれと環、そしてミリオに会ったのだった。ねじれは手を振り駆け寄ってきてはいつものようにAに抱き付く。
「ねえねえ、1年生に問題児がいるんでしょ？私知ってるよ！」
『問題児？ああ、緑谷と爆豪のことね』
「これから職場体験があるのに大丈夫なのかな？心配だよね？」
「問題児！元気がありそうですね！」
「興味あるよね！普通に！」と言ってこっちを見てくるミリオにAは少し困ったように笑う。
すると隣にいた環が肩をトントンとしてきたのだった。
「………Aさんは募集しないんですか？」
『え、わたし？』
「Aちゃん募集するの！？私入るよ！2人も入りたいよね！ね！」
グイグイくるねじれをAは『募集してないから』と両手で押し返す。
するとねじれは残念そうに肩を下げた。
『ましてや私事務所ないしフリーだから募集なんて掛けられないよ』
「なるほど！でもNo.3ヒーローのホークスから指名貰ってましたよね！所属しないんですか？」
『ホークス…………まあ貰ったね
でも私は元々フリーの予定だったから入らないかな』
何故か少し気まずそうにしながら話すAを3人は不思議そうにするも誰一人突っ込む事なく事なきを得た。
Aは咳払いをし再度口を開く。
『まあ、あの問題児達に3人もいつかは会ってもらう予定だから楽しみにしててよ！』
「本当ですか！？2人も楽しみだよね！」
『ほら、チャイム鳴るからそろそろ教室に戻りなよ』
「ねえねえ、Aちゃん今日私たちのクラス担当じゃないの？残念だよ」
むーっと頬を膨らませるねじれを何とか宥め教室に送る。
どっちが問題児なんだか。
・
緑谷のクラスに入ると黒板には職場体験先からの指名数が書かれていたのだった。
『わ、爆豪と轟人気だな』
「おまえの時も中々凄かったけどな」
Aの時もバラける事なく、Aばかりに指名が集まっていたのだった。
ま、結局オールマイトの所で職場体験したんだけどね。
その後事務所は解体されちゃったけど。
『ま、楽しみだね。職場体験』
この時、飯田に影が掛かっていることに気付かなかったことを後に後悔するのだった。
「………全ては正しき社会の為に」
波乱の幕開けだ。
・
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月13日 23時
